ブタブタ

魔界転生のブタブタのレビュー・感想・評価

魔界転生(1981年製作の映画)
4.5
繰り返し何度も漫画化・映像化される『魔界転生』はむしろ時代小説の巨匠・山田風太郎による原作よりもこの深作欣二・監督による映画版の影響が大きいと思います。
原作を忠実に漫画化し先日完結したせがわまさき・画『十・魔界転生』がとにかく柳生十兵衛と魔界衆が戦う→勝つ→戦うの繰り返しだけで最後も非常にこじんまりと小さく纏まっててスケールが小さい感じだったのですが、思えばコレは原作そのままで、何で原作はあんなに面白いのに漫画はダメなの?とそのままビジュアル化してもいい訳ではないと思ったのでした。
ゲッターロボで知られる石川賢・画による『魔界転生』が、この映画版に並ぶ傑作です(断言)
風太郎忍法帖✖️クトゥルフ神話✖️MAD MAX2と言った感じのとにかくメチャクチャで、しかしコレもこの深作欣二映画版があり、その影響は大だと思います。
魔界衆のメンバーや転生シーン等、端折れる所は思い切り端折り柳生十兵衛VS天草四郎を骨子に『甲賀忍法帖』は10VS10のチーム戦だったのに対してあくまでも十兵衛一人の孤独の戦い、千葉真一演じる十兵衛がとにかくビジュアル含めこれ以上の十兵衛はないくらい完璧です。
原作では途中でやられる雑魚キャラの天草四郎をボスキャラに持ってきたのも成功、沢田研二演じる天草四郎は辻村ジュサブローの衣装とこの頃の沢田研二の美しさとカリスマ性と相まって正にバケモノ的なラスボス感に溢れています。
不死身の魔界衆をどうやって倒すのか?と言う方法として「妖刀・村正」を使ったのも大正解。
「仏におうては仏を斬り、魔物におうては魔物を斬る」と言う問答無用のマジカルソード、この「村正精製」のエピソードも怪物を倒す為の新たな武器精製のファンタジーモノではお約束のエピソードで、この新たな村正を使った宮本武蔵との巌流島での決闘、原作ではクライマックスのこの場面を途中にして炎逆巻く江戸城で柳生十兵衛VS柳生但馬守の親子対決、村正VS村正を最後に持ってきたのも大正解だったと思います。
ブタブタ

ブタブタ