ぬーたん

あ・うんのぬーたんのレビュー・感想・評価

あ・うん(1989年製作の映画)
4.2
脚本家として向田邦子ほど凄かった人は居ないなあ、惜しい人を亡くした、と思う。先日ちょうど邦子さんのドキュメンタリーを観て、その前に妹さんが書いた『向田邦子の恋文』を再読したから、タイミング的にもこれはまた観なきゃと再鑑賞。
主演は高倉健!大好きなんだよね♡いや、黒板五郎演じた邦衛さんも好きだけど、邦衛さんは父ちゃんか兄ちゃんか近所のおじさんに欲しいような存在なんだけど笑、健さんは先ずはお付き合いしたい、そして結婚したい!それがだめなら父さんか上司か、いや日陰の身でもいい、何でもアリ!何でもいいから傍に居たい、という色男なんだよね。若い頃のヤクザ映画はあまり好きでないけど、中年以降の『駅』辺りからの渋いこと!半端ねえカッコ良さよ。特に『ブラック・レイン』と今作、50代後半の少し老けて顔も垂れて男前が崩れかけた頃の、演技も脂が乗ってて、本当に好き💕更にこの役は、もうね、かっこええの二乗で✌️惚れない女は居ないぜ~という男なんよ!
その対照的な男で、戦友に板東英二。まあ、大袈裟な演技でちょっとナンだけど、健さんを引きたてる役だから。情けない男を頑張って演じた。
その妻は富司純子。綺麗だけどあまりこの役には合わないかな。でもこっそり踊ったりして可愛いシーンも。この3人の関係が微妙で、三角関係ではないけど、精神的三角関係かも。でも健さんにも妻が居て宮本信子が演じてる。彼女は常にカヤの外って感じだけど、大人しい大和なでしこではなく、ややヒステリーな面倒臭い女房なのだ。
娘役は富田靖子。若い!まだ10代かな。その相手役は真木蔵人。これは親のコネ出演かも?イケメンで悪くはない。
懐かしい顔もある。芸者に山口美江。プックリしてて可愛かったけど、早世が残念。苦労の多い人生だったようだ。
大滝秀治。旅館の番頭役で、飄々としてるのがぴったり。坂英との風呂でのシーンはもうおかしくて!
三木のり平も面白い役で。良いこと言って健さんを唸らせた後におちゃらけ!
監督は降旗康男。ヤクザ映画からの健さんとのタッグは間違いなし。生き生きと健さんは演じてる。
まあ、掃除したり鼻歌歌ったり、ふざけたり踊ったり、そんな普通の男、明るい男を演じた健さんはなかなか観れないから、もうこれは健さんファンは必見の映画だね。
ごく普通の日常でドラマティックな展開もないし、胸キュンのラブシーンもないんだけど、じんわりと感動するし、最後の方は泣けてねえ。心の底を突くような感情表現、さすが、向田邦子の原作は上手い。
ラストも良い!雪が健さんには良く似合う。
ジャケの3人が良い!修善寺の橋だそうだ。
北海道の撮影が多かった健さんの、ロケ地巡りをいつかしたい。邦衛さん追悼の旅の次は健さんだな。黄色いハンカチを手にしたアイコンにしよう!

※おやつはロイズの生チョコレート。パンを買いに行ったのについ買ってしまう甘いもの💦
※夕飯はお土産で貰った大量の卵が賞味期限ヤバい…となったんで、茶碗蒸し。後はゆで卵にして出汁に漬けとく。茶碗蒸しは海老に椎茸、筍と栗。柚子を刻んでオン。おかずは豚ひれ肉のベーコン巻き、ポテトサラダ。
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