あ・うんの作品情報・感想・評価・動画配信

「あ・うん」に投稿された感想・評価

訳あって向田邦子作品をレビューする中で久々の鑑賞。この作品はもう何度観たか分からない。
「あ・うん」は言うまでもなく向田邦子代表作の一つであり、そのオリジナルは杉浦直樹とフランキー堺主演のNHKドラマ版である。

降旗さんの今作は、オリジナルとは雰囲気が異なる「もうひとつの『あ・うん』」と言っていい。
高倉健さんの魅力を最大化する為にオリジナルよりも小粋な温かさ、爽やかさを強めに利かせて登場人物や語り口を改変している。
脚本は向田邦子でなく中村努による。(向田さんはこの映画の8年前、81年に飛行機事故で亡くなられているので、もしご存命で映画版のオファーがあったらどうされたか興味深い)

自分にとって初めての「あ・うん」は若い時に観た今作である。いつもの寡黙で渋い健さんとは対照的な、お茶目で小粋な長髪健さんの新たな魅力に涙したものである。十分感動し、これが「あ・うん」だと思っていたのだが…後にドラマ版を観て衝撃を受けた。

今作では向田色はかなり抑えめになっているが、オリジナルの深みを二時間に凝縮するのは無理があるし、これはこれでいいと思う。木村大作さんの撮る画面は美しいし、健さんを撮らせてたら右に出る者はいない降旗さんの編集も安定感がある。たみさん役の富司純子さんもドラマ版の吉村実子(夜のヒットスタジオの芳村真理さんの妹)さんより魅力的で可愛らしい。何より、「日本侠客伝シリーズ」の健さんとのコンビ復活が嬉しい。
芝居が下手な坂東英二もヘタウマのいい愛嬌を出している。

オリジナル・ドラマ版は、水田家は志村喬演じる山師のお爺ちゃんがいる4人家族であるし、門倉は妾宅に隠し子がいて、あまつさえ「三号さん」まで囲ったりする。人間関係は映画版より粘性の強い生々しさを持つのである。そしてその物語は岸本加世子による映画版よりクセの強い三枚目キャラのさと子ちゃん視点で淡々と語られる。彼女の観察眼による水田夫妻と門倉の関係描写は、映画版とは全く異なる味わいがある。
言うまでもなく、原色の向田色満載の濃いめの人間ドラマ。映画はそれを薄めにして爽やかに炭酸で割ったような感じだ。
MEIKO

MEIKOの感想・評価

2.5
以前録画してあったWOWOWを見ました。

高倉健さんってカッコイイですね!💖
坂東英治さんと、富司純子さんが夫婦役で、健さんが密かに想いを寄せ、陰ながら色々と有形無形にサポートする。
家族ぐるみの付き合いだが、心に秘めた強い愛情と純愛を守る男の美学。

かといって堅物ではなく、玄人筋とは洒脱にスマートに遊ぶ。

不思議な人間関係だが、ドリカムみたいに男二人、女一人のユニットの走り??

普段は礼儀正しく、めちゃくちゃ気を使い、大金を融通してあげたり、娘の縁談を世話したりする。
最後の方で、芸者遊びのお座敷で急に、態度が豹変して「おまえは自分で金を払ったことない、たかり酒だ」とか、高倉健が坂東に突っかかるが、ちょっとヤクザがかっていて、肘掛けに座って説教する場面は、凄みがありすぎて怖い!!

自分が、好きで奢ってたんじゃないの?って行動が解せない、、。

あと、病院内でも喫煙するし、娘をハリパンするし、家の鍵かけないし、昭和初期の時代風景に驚きました!
zhenli13

zhenli13の感想・評価

3.6
久世光彦演出のドラマ『あ・うん』が好きだった。調べたら2000年の新春ドラマだった。『時間ですよ』などは全くみていなかったけど久世光彦の本が好きで、やはり向田邦子と彼との間柄というのは特別なものがあり、あのころ正月になると久世演出の向田邦子原作ドラマを楽しみにしていた。向田邦子じゃなくて青木玉原作などもあった。加藤治子、田中裕子、小林薫、四谷シモン、森繁久彌などの常連が出てくる久世ドラマがとにかく好きだった。

1980年のNHKドラマ『あ・うん』の方は観たことがなくて、調べたら主演の門倉は杉浦直樹、水田がフランキー堺、水田の妻たみは吉村実子だった。1989年の本作は高倉健、坂東英二、富司純子。2000年の久世ドラマは小林薫、串田和美、田中裕子。うーん。
「たみ」は降旗康男作品の富司純子が圧倒的に好い。というかこの映画『あ・うん』は富司純子のまさに花が咲いたような純粋な可愛らしさでもっているようなところもある。ソフトフォーカスのアップでその華をしっかり見せてる。高倉健の門倉は格好良すぎて重みがありすぎるきらいがあり、坂東英二の水田(私が長年この映画を観る気になれなかった理由がこれ)はどうしても素人ぽくて無粋すぎる。生真面目で無垢な感じはよかったけど。門倉の妻役宮本信子は丸眼鏡の光が活きて後半につれ味わい深くなってきた。門倉にひかされる芸者が山口美江、水田の娘が富田靖子で恋人が真木蔵人というのは時代を感じる…
NHKドラマの吉村実子は土臭いし杉浦直樹は真面目すぎる(あくまで印象)。しかしフランキー堺の水田、門倉の妻が岸田今日子、芸者が池波志乃、映画には登場しなかった山師の水田の父が志村喬というのはぜひみてみたい。
久世ドラマの小林薫はせんからの危険な色気が溢れ返ってて、女にまめな門倉役は合っていたと思う。とくに田中裕子とは久世ドラマでの共演が白眉(『響子』というドラマがほんとうに美しくて大好きだった)で、田中裕子自体も大変色気のある巧い役者なのでなんとなくぽわんと抜けたところのあるたみの役も好かったけど、やはり富司純子の華には敵わない。門倉の妻役の樋口可南子は色気を抑えてややコミカル、串田和美も悪くないけど、という感じ。水田の父の森繁久彌は安定の森繁久彌。

というわけで、私個人としては門倉が小林薫、たみが富司純子、水田がフランキー堺、門倉の妻が岸田今日子、で観てみたかったな。世代バラバラだけど。

記憶にある久世ドラマも本作も、向田邦子原作の文章がかなりそのまま反映されてる。本作のポスターになってる修善寺の橋で三人が寛いでるスチールが好いんだけど、映画ではほんの一瞬だった。あの修善寺のシーン好きだなぁ。富司純子みてたら、ああいう関係の中で生きてたらずっと女でいられるし寧ろずっと恋する少女の気持ちでいられるよなぁとしみじみ思った。というより、たみがあねさん被りでまめに洗い張りなんかする一方で、夫の夏物背広羽織ってカンカン帽被ってひとりガラス障子の前で踊るような人だから、門倉もずっと好きだったんだろうと思わせる、向田邦子の筆に唸らざるを得ない。その役に富司純子がとても合っていた。
ああ。
いい話でした。

静かで、激しい。
たおやかで、強い。

そして、俳優陣の美しいことよ。


さすが、向田邦子です。
ナホ

ナホの感想・評価

5.0
わかりやすいけど複雑な感じ、いい!
プラトニックラブ、とか、特攻とか男の夜遊び喧嘩、女の意地悪とかごちゃごちゃしてていい、もっと欲しい
Gocta

Goctaの感想・評価

-
戦友である二人の友情、そして相手の妻に寄せる密かな愛情の物語。全体を通して、坂東英二の駄目親父振りと高倉健の思いやり過ぎ振りが鼻に付いたが、最後はやっぱり感動。

富司純子がきれいで、特に帽子を持っておどけて踊るシーンが好き。
け

けの感想・評価

4.5
友情、思いやり、優しさ、奥ゆかしさ、それだけではない人間らしさ が存分に感じられる作品。お正月なんかにゆっくりと観たくなる。
tatuya

tatuyaの感想・評価

3.5
涙を流す高倉健の横顔はベストショット。
高倉健みたいな渋い男が顔面に芋ぶつけられたり、ぞんざいな扱いされてると笑っちゃう。
1980年のテレビドラマでは杉浦直樹、2000年のテレビドラマでは小林薫が演じた「門倉」を、この映画では高倉健が演じている。

高倉健が、ヤクザでもなく刑事でもなく、前科者でも軍人でもない、普通の会社員でしかも女好きの遊び人の役なんて、初めて観たかもしれない。
なかなか面白かった。もっとこういう役もやれば良かったのにと思った。

たみ役の富司純子は本当に可愛い女性だ。
この物語では、門倉の妻が可哀想だと思った。
めちゃくちゃよかった。。一見、坂東英二が女遊びにハマってしまうダメ男に見えるが、自分の妻と自分よりハイスペックな20年来の親友がお互い明らかに好意を抱いているのを知りながら、家族のような関係を続けているというのはどんな気持ちなのか。。。
健さんは、この関係を続けていては親友も好きな人も自分の奥さんも誰もが不幸になると思い、友情、愛情のため、友人夫婦との関係を断ち切ろうとしたのだろう。
でも、最後はお互いの友情を再確認できてよかった。。。
あと、会いたいときに会わないのも愛情だと言っていた健さんが、最後に取った行動にも感動!
真木蔵人がめちゃくちゃ好青年の役。。。
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