このレビューはネタバレを含みます
非常に評価が難しい作品。
駄作では決してないんだけど
もう一回見たいか?と言われたらノーだし、誰かに薦めたいタイプの映画でもない。
ま、一言で言えば【完全犯罪的な復讐劇】
冒頭から松たか子が【自分の娘が担当するクラスの生徒に殺害された事を淡々と無表情に告白】
俺は最後まで見てもカタルシスを感じなかった。復讐劇なのにカタルシスを感じないのも珍しい。
理由は多分松たか子の役柄が、感情を表に出すタイプではないからっていうのと、松たか子の復讐劇(直接手を下してないにせよ)が予想以上に陰惨な結果を生み出すから松たか子に同情しにくい構造だからかも。
血液入り牛乳も少し考えれば嘘だとわかるが、アレは一種の炙り出し作戦だったんだろう。アレだけの人数にランダムで牛乳配って犯人二人だけに血液入り牛乳が来るなんて確率は相当低い。
そして、松たか子が告白を終えると、教師を辞める事を告げ、学校を後にする。
画面からも松たか子のエンカウント率がぐんと減る。ただ後半になり松たか子の作戦や意図がわかりヒヤッとする。
やはり女の復讐劇は怖い。陰湿で冷徹。そして自分の手を汚さない狡猾さも併せ持つ。
ただね。ラストのある場所に爆弾を置いて来たって松たか子の告白後の映像が、【過去に遡り、ある場所が爆発するシーンを想像(妄想?)する犯人】って縮図なんだけど、【で、結局松たか子は爆弾を置いたの?そして爆発したの?】って部分が嘘か本当かボヤけたまま。
いやいや、復讐劇ならそこボカしたらダメでしょ!!!多分あの口ぶりからすると本当なんだろうけど。でも仮に本当なら目撃者もいる可能性もあるし、そうなると完全犯罪計画が崩れる可能性あるんじゃないの?って矛盾も残る。
全体的にモヤモヤするテイストだが、ラスト位ハッキリして欲しかったなぁ。
なーんてね。