橘

GONINの橘のレビュー・感想・評価

GONIN(1995年製作の映画)
3.9
暴力に次ぐ暴力、めっちゃバイオレンス……となりながらも匂い立つ男同士の激重感情でした。
GONIN、佐藤浩市さん本木雅弘さん根津甚八さん竹中直人さん椎名桔平さんという面子からつよい。
襲撃する組の組員には鶴見辰吾さんやら永島敏行さん、雇われヒットマンにはビートたけしさんやろ……濃すぎる。
画もバチバチでした。平成初期はまだ昭和を引きずってるけど、このジメッとしてるとこがいいな。。

本木雅弘さんの艶が凄かったです。短髪でも充分な色気…ターゲットを手の平コロコロしてる男娼と思いきや、めっちゃワンコ系でした。佐藤浩市さんともっくんが一緒にいるのは最後のシーン、もっくん〜!!!!ってなりました。表情の変わり方、見入りました。黒ロングコートを翻しての襲撃も画になる。
佐藤浩市さんと根津甚八さんと椎名桔平さん、暴力性と寂しさが同居しててこの御三方もよかった。佐藤さんと根津さんも色気が凄い。
徹頭徹尾気が違ってる竹中直人さんの娘さんが栗山千明様だったなんて。。
渡辺真起子さん超イケイケで格好良かった。序盤に撃たれたお姉さんの痛がり演技、音声だけなのにリアルな感じでした……

雇われ殺し屋さんなビートたけしさん、事故からの復帰直後みたいでずっと目にガーゼは当たってるし雨のシーンで一人だけ傘差してらっしゃるけど、それが異様さを醸し出してて怖かったです。

ラストシーンの寂寥感も良かった。
動いてない人が二人乗ってるのに気付かないでバス動き出してしまうけど、結構長いシーンだったのに、動いてないお二人は瞬きもせず。
バスの窓から外眺めてる(眺めてない)本木さん、美しいな…と思ってしまいました。
どんなにドンパチやっても、残ったのはこれだから………そういえばふたりとも、愛してた相手をお互いに殺られてるんだな。たけしさんの「ちょっと休憩…」、最期はこんな風になるのかも。


YouTubeの松竹チャンネルでの今月の無料配信作品の再配信。ありがたやです。
来月の配信作品は松本清張原作・野村芳太郎監督『わるいやつら』。見逃せない_φ(・_・
橘