あざらし

ジャッカルの日のあざらしのレビュー・感想・評価

ジャッカルの日(1973年製作の映画)
3.5
「ジャッカルの捜索は秘密裏に行う。」

1962年8月。
フランスでは嵐が吹き荒れていました。
アルジェリアの独立を認めたシャルル・ドゴール大統領を多くの国民は裏切り者と罵ったのです。

そして、軍人を中心とする右翼過激派はドゴールの抹殺を宣言しました。彼らは地下に潜り、自らの組織をOASと称します。

その内、解体に追い込まれたOASは外国人の殺し屋を雇うことにします。
殺し屋であるジャッカルとパリ警察との攻防戦の始まりです。

ナレーションが入り、ドキュメンタリー映画のようにストーリーは進みます。
とてもリアルに練られている脚本だったので、実在する物語かと思いましたが、小説が原作としてあるそうです。

殺し屋の出て来る映画はたくさんありますが、この映画の殺し屋ジャッカルはとても用意周到で自分を守るのに厳格です。ヒーロー的というよりも、仕事を完璧にこなそうとする神経質で冷徹な男でした。

ジャッカルはイギリス紳士の装いで、クシで金髪をきっちりとかし、スカーフをあしらってスーツを着たりします。そこが彼をかっこよく見せています。

そんなジャッカルを追うパリ警察の敏腕刑事:クロード・ルベルはモサッとして冴えない風貌の中年ですが、真面目で頭の良い男でした。

大人気小説を原作とした大統領暗殺をめぐる一級サスペンス映画です。

ストーリーの面白さと共に、1970年代のヨーロッパの街並みやファッションを観るのがとても素敵で良いです。

少し長いですが、ゆっくりとサスペンス映画を堪能したいときにオススメする映画です。

さて、冷徹な殺し屋ジャッカルはフランス大統領を暗殺することが出来るのでしょうか?それとも、敏腕で頭の良いルベル刑事が彼を捕まえることが出来るのでしょうか?

「とにかく、ジャッカルの正体を知ることが先決です。」

…一流の殺し屋って、器用になんでもこなすんですね…。
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