あざらし

正欲のあざらしのレビュー・感想・評価

正欲(2023年製作の映画)
3.9
「私もう、1人で生きとった時に戻れんかも」

コップから流れ出る水をジッと見つめる男性:佐々木。彼は仕事仲間に草野球を誘われますが、いつものように断りました。

彼はいつも社会的に孤独を感じていて、それにより死についても考えていました。

一方、お寿司屋さんで1人で食事する女性:桐生はデパートの売り子をしていますが、彼女も孤独で生きています。

彼らは学生時代にとある共通の思い出を持っていました。それは…

性的マイノリティは変態としばしば言われます。それは性的だからこそ、他人にも話せず、孤独を感じてしまうかもしれません。

この映画は、その変態の純文学作品とでもいうような映画でした。

いまでこそLGBTは市民権を持ち始めてきましたが、相手が人でもなく、物質であったらどうでしょう。例えば水に。

新垣結衣さんが演じるからこそ、いやらしくなく、また美しくない心の底を観ることができるような映画です。

とても個性的な設定なのに、なぜか共感したくなる、身近に感じる映画でした。

「あなたが信じなくても
私たちはここにいます」
あざらし

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