こたつむり

ブレイドのこたつむりのレビュー・感想・評価

ブレイド(1998年製作の映画)
3.4
★ 「ちんちんぶらぶらソーセージ!」
  …って劇中で流れる歌ですよ(^_^)

今回は二回目の鑑賞でした。
最初に観たのは師匠の家。そのときは「こういう映画は好きじゃない」なんて生意気な発言をしましたが…ゴメンナサイ。若気の至りです。認めたくないですけど。

さて、本作は吸血鬼退治を描いた物語。
主人公が吸血鬼と人間の能力を併せ持つ《ハーフ》という定番の設定です。これが日本の漫画や小説だと何故だか美形に設定されますが、本作の場合は黒人。相対する敵が白人なのです。

このあたりの構図は興味深いものがありますね。劇中でも白と黒の対比を上手く使っていましたから…深読みすれば“人種問題”が横たわっている…のかもしれません(深読みし過ぎかもしれませんが)。

ただ、基本的にはアクション映画。
特に物語の隙間からB級感覚が滲んでいます。
ヴァーホーベン監督を彷彿させる血生臭い演出には思わず口角が上がりますし、カタナを用いたアクションから日本をリスペクトしていることが伝わってくるのも好ましい限り。

また、今回改めて鑑賞して思ったのは『マトリックス』以前の映画としては“スタイリッシュ”だということ。主人公の外見が鈴木雅之さんに似ているから、思わず「違う、そうじゃない」と言いたくなるのですが、なかなか鋭い演出が冴え渡っていました。

ただ、劇場公開から20年経た現在だと物足りなさを感じるのも事実。この辺りはアクション映画の宿命ですね。演出や特殊技術は年々磨かれていくから消費期限が存在するのです。やはり、作品の寿命を決めるのは脚本ですよね。

まあ、そんなわけで。
吸血鬼の弱点はニンニクと銀の銃弾。
本作の弱点は練り込みが足りない脚本。
だから、何も考えずにサクッと鑑賞するのが吉。ウェズリー・スナイプス演じる主人公に心酔するのが正しい楽しみ方だと思います。

To be continued… →→→ 『ブレイド2』
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