あんがすざろっく

DUNE/デューン 砂の惑星のあんがすざろっくのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
4.3
劇場公開時に鑑賞していたんですけど、これはレビューするのが難しかった。

パート2も早く観に行きたいんですが、まずパート1のレビューをあげてから、ということで、今回見返しました。



劇場なり配信なり、映画を見終わると、あの場面が良かったな、これは脚本が良かったな、キャストが魅力的だったな、と、その作品の何処が好きになったのか、それとも何処がひっかかったのか、頭の中で分解するんです。
何も残らなかった作品は、レビューも短くなるし、書くことも出来ません。

本作に限らずですが。
大好きな作品なんだけど、何をレビューに書いたらいいのか、分からない作品が時としてあるんです。

何が良かった、どこが良かったと、書けないからなんです。
何だろう、自分でもそれを言葉で表現出来ない作品。
世界観が好きだから、敢えて分解する必要がない。
全部が好きなのに、理由なんか要らない。
僕の語彙力なんぞでは、その作品の魅力を語り尽くせない。

LOTRシリーズも、正にそれだし、僕の生涯のベストムービーなんかは、レビューを振り返ってみるとあまりにも簡素です😆
色々書かなくたって、好きなんだから仕方ないじゃん。
なんでこんなに好きなのか、自分でも理解できない時がありますからね。
いつかはちゃんと書き直せるといいけれど。


で、DUNEも正しくそれだったんです。
劇場で観た時、もう没入してしまいまして。

今回見返したので、少しレビューを書けると思います。

まず、風景ですね。
一瞬、何が映っているのか分からない光景が、徐々に変化をしていくと、それが砂漠であったり、湖底から浮かび上がる空母だったり、撮影が素晴らしい。
こんな場所をよく見つけられたな、と思います。砂の惑星というだけあって、デューンのロケーションは見事です。



キャラクターで言えば、ダンカン。
もう、かっこよすぎて🤩
ジェイソン・モモアって、本作しか見たことないんですけど、頼れる兄貴って感じが画面から溢れてる。

主人公ポールを演じたティモシー・シャラメも、少しずつ自らの運命を受け入れていく姿がいいです。

ジョシュ・ブローリン演じるガーニイもかっこよかったけど、パート2でも登場するのかな。

今回設定を見て改めて気付いたんですけど、レト公爵とレディ・ジェシカは、婚姻してなかったんですね⁉️
公爵がジェシカに(ベネ・ゲセリットとして)ポールを守ってくれるか、と改めて願っているのは、そんな経緯もあったんですね…
そのレト公爵を演じたオスカー・アイザック、ジェシカを演じたレベッカ・ファーガソンも名演です。


で。
他のフォロワーさんも書かれている方が多かったんですけど。
作品の展開とか、ガジェットの既視感ですね。
これはもう、避けられようがない。
これだけ多くのSFエンタメが誕生した世の中ですから、オリジナルなんて無理です。

だけど、皆さんも指摘されている通り、その既視感、ほとんどの源流は「スターウォーズ」にある訳ですけど、その「スターウォーズ」自体が、フランク・ハーバートが1965年に発表した「DUNE」に影響を受けて作られた、と言われています。
だから、今のSFエンタメの元祖は「DUNE」になるんですよね。

ただ、あまりにも映像化が難しかったから、企画はあがっても、なかなか実現しなかった。
デヴィッド・リンチ監督版で映画化はしてますが(僕は未見ですけど)、今現代に新しい「DUNE」を映像化するのは、プレッシャーだったでしょう。

それを見事に成し遂げたのが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ。
彼で大正解でしょう。
なんせ、あの「ブレードランナー」の続編を成功させてしまった人ですからね‼️
確固としたビジュアルとイマジネーションがないと、絶対辿り着けなかったと思います。

そして劇伴のハンス・ジマー先生。
クリストファー・ノーランから「TENET」の音楽を依頼されていたのを断り、本作に取り組んで、見事アカデミー賞作曲賞を受賞しました。
この人の音楽がないと、「DUNE」にならない。

至福の時を過ごせる作品です。
さぁ、後はパート2を劇場で体験するだけ。


「驚くのはまだ早い」






2021年10月29日 ユナイテッドシネマ浦和にて
あんがすざろっく

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