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哥(うた)のmareのレビュー・感想・評価

哥(うた)(1972年製作の映画)
3.5
ATGの白黒映画で絵画的カット、自然の表現、もはやホラーに近しい官能的描写、奥ゆかしく芸術が花開いている。そして断片的に彩るヴィヴァルディの四季が叙情的に駆り立て、後世に古き良き伝統を守る者と時代の波の如く伝統を塗り替える者との対立を描く。三人兄弟、生まれた順番が違うだけでこうも生活、生き様、人間性が異なるのかと思わされるし、理不尽で遣りきれない不条理世界をただ見つめることしかできない。自分にあまりにも正直な三男がまさしく命を削り、財産である山を守って無謀に兄たちに立ち向かっていく。これ三部作ってこと知らなかったから無常と曼陀羅も鑑賞したい。
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