ビターチョコ

12人の優しい日本人のビターチョコのレビュー・感想・評価

12人の優しい日本人(1991年製作の映画)
5.0
三谷幸喜が脚本の愉快な映画(1991年、116分)。原作と脚本は三谷幸喜で、監督は中原俊(ちなみに三谷の初監督は、1997年の『ラヂオの時間』)。

あらすじ。
ある殺人事件の審議を12人の日本人がやるが、結論がまとまらない。
「たぶん無罪じゃないかな?」
「無罪じゃないですかね……」
「有罪に決まってるね、根拠はないけど」
議論は続き、新事実が複数みつかって……。

この映画は、傑作映画『十二人の怒れる男』(アメリカ、1957年)のオマージュとして作られたが、まず三谷が書いた戯曲『12人の優しい日本人』(1990年初演)があり、それを元に映画化された。

余談1。映画『十二人の怒れる男』(1957年)の元は1954年放送のテレビドラマ。1時間で全1回、生放送だったそうだ(ウィキペディアより)。両者とも原作と脚本はレジナルド・ローズ。そしてこの『優しい日本人』がある。私は大元のテレビドラマは未見だが、たぶん傑作だったのだろう(時間の関係で、台詞がかなり切られたそうだが)。

余談2。日本で2009年から始まったのは裁判員制度で、アメリカの陪審制とは大きく違うみたい(アメリカ内でも州により違うだろうが)。

★以下、ネタバレあり!

元の『怒れる男』は最初、一人を除いて有罪。だがこの『日本人』は、最初から全員が無罪(笑)。日本人らしい(笑)。が、話し合いたいと一人が有罪に変える。評決は全員一致が必要なため、話し合いは延々と続く。ピザあり、ジンジャーエールあり、ダヨーンのおじさんあり(笑)。

私が一番好きな陪審員は陪審員9号。一番偉そうなおっさんだ。あんな風に生きられたら、とちょっと憧れる。