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子猫をお願いのmendeのレビュー・感想・評価

子猫をお願い(2001年製作の映画)
3.9
20年以上前の作品ながら新鮮。携帯メールをそのまま画面に写したり、オープニングタイトルのフォントがおしゃれだったり、今でもあまり見たことがないセンス。オリーブ少女っぽさも感じる。

仁川に住む5人の女子高生。何ヶ月かたって卒業するとそれぞれ現実にぶち当たっている。
テキスタイルを学びたいジヨンは祖父母と暮らしていてお金に困っている。実家の仕事を手伝っているテヒ(ペ・ドゥナ)は常に優先される兄や弟との差を感じているし、父の古い家父長的態度にもうんざりしてる。ソウルの証券会社に勤めるヘジュ(イ・ヨウォン)はOL生活を満喫していたが、しょせん雑用係で出世の見込みもない。
それでも笑って、恋もして、明日を見てる。

声が大きくて独善的な父親や、父親の態度そっくりの兄、おとなしく従順で存在感のない母など、一見普通に見えるかもしれないけど、その家に娘として生まれてくるとかなり「きつい」ということを描けたのは女性監督ならではだろうと思う。

水餃子を食べる場面がおいしくなさそうで、そして物悲しい。

子猫は登場人物の間をたらい回しにされる。かわいいけど、今だとあの撮影方法は許されないような気がする。猫好きほど気になるかも。
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