亘

タクシードライバーの亘のレビュー・感想・評価

タクシードライバー(1976年製作の映画)
3.7
日々淡々と仕事をしていただけの孤独なタクシードライバー、トラビスが反逆者へと変わる物語。

初めに真面目なタクシードライバーをしていた頃の街の描写は車内と外界が別世界のように描かれてトラビスが世間から取り残されていることが強調されてる。そんな中で会う選挙ボランティアのベツィは「世間とちゃんと繋がった」人物で対比になってるし、トラビスが「よく来る」っていってデートに非常識な映画を選ぶのも世間と繋がりがあるかないかを示しているような気がする。

そこでベツィに振られてトラビスと世間の繋がりが切れたから反逆者に変わったんじゃないかな。とはいえ12歳なのに娼婦という、同じく世間から離れたアイリスと出会う。最後彼女を世間に戻して自分も世間と再び繋がる。アメリカンニューシネマの代表作らしい社会批判とか色濃く出した作品だと思う。

印象に残ったシーン:トラビスがモヒカンで選挙の演説に向かうシーン。最後のバックミラーに映ったベツィとほほえむトラビス。
亘