フランコ

河内山宗俊のフランコのレビュー・感想・評価

河内山宗俊(1936年製作の映画)
4.5
音声の状態が悪く、字幕付きで見たかった。それでも古臭さは微塵もない時代劇であり、人間模様が巧みに描かれた群像劇。立体的な画面の奥行きの中、人物は忙しなく往来し、ユーモアも冴え渡る。

ダメ弟・広太郎のせいで溺死した遊女について弁償するか、自ら身売りするかって選択肢を迫られたお浪(原節子)が置物のようにうなだれてる後ろで雪がひらひらと舞い、いつの間にか広太郎にも感情が伝播してうなだれてる、まるで静止画のスライドショーのような一連のシーンの強度が尋常ではない。決戦のBGMはチャイコフスキーのロミオとジュリエット。

2017/7/22 神保町シアター
フランコ

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