さすがにバーンスタインの天才的なアイディア溢れる音楽がただただ最高なので、それだけで大満足。1961年版がすでに素晴らしい作品で、本作もだいぶ旧作へのリスペクトを感じるが、せっかく60年も経っているのでここまで構成や展開を完コピしなくても、もっとスピルバーグ監督に好き勝手やって、2021年ならではの要素を追加して欲しかった。
街並みや、キャストの顔つき・ファッションなども61年版では原作の時代設定とほぼ同時代だったので今見ても当時の空気感がひしひしと伝わるが、その辺がリメイクではどうしても薄く感じてしまう。それだったら思いっきりblack lives matterだとかCovid-19だとか今日的な時事性を持たせても良かったのではと思う。もちろんプエルトリコ移民を始め様々な人種差別問題は解決されていないので、多少の啓蒙にはなるかもしれない。ただ、マリアとトニーがジムのダンスで出会うシーンの視線の応酬には2021年版に圧倒的に感動。
