フランコ

偶然と想像のフランコのレビュー・感想・評価

偶然と想像(2021年製作の映画)
4.4
2022年初スクリーン。濱口監督の肩の力が抜けた感じのオリジナル脚本が素晴らしい。③が一番好き。唐突なズームイン、場面の巻き戻しからの分岐、音楽がピアノ曲だけってところなどホン・サンスを感じる要素がいくつか有り。

① 魔法
玄理は大好きだし古川琴音のファム・ファタールっぷりも素晴らしいけど、照明が貧相で(というか全編通して照明スタッフがいない?)車内シーンとか画面が暗過ぎてせっかくの美人がもったいなかった。。もはやノイズが見えるレベル。
ラスト、絶賛開発中の渋谷のガチャガチャした風景から上にティルトし、椿が良い感じに収まるショットが良き。

② 扉は開けたままで
渋川清彦が素晴らしいに尽きる。だいぶ官能的だがそれを凌駕するユーモラスな展開。森郁月が先生の部屋に入って急に棒読み感が強まる。

③ もう一度
コンピュータウイルスが猛威を振るい、インターネットが崩壊した近未来というディストピアンな設定はだいぶ好みだったので長編にして欲しいくらい。突飛な展開ながらも温もりがあり、高揚感あり。
仙台駅前のエスカレーター近辺でカメラがぐるぐるする躍動感も良い。今度とらやの羊羹をもらうことがあったら凍らせてみようと思った。
フランコ

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