千年女優

眼下の敵の千年女優のレビュー・感想・評価

眼下の敵(1957年製作の映画)
4.0
第二次大戦下の南大西洋を行くアメリカ海軍バックレイ級護衛駆逐艦の就任間もない新艦長で、実際の指揮を目にしていない乗組員たちからその資質を疑問視されるマレル。道中で叩き上げのシュトルベルク艦長率いるドイツ海軍の潜水艦Uボートに遭遇した彼が、歴戦の猛者と名高い古豪を相手にその能力を証明する様を描いた戦争映画です。

元イギリス海軍で大戦後には作家としても活動したデニス・レイナーが自らの体験に基づいて書き上げた戦争小説を原作に、俳優上がりの映画監督ディック・パウエルが手掛けた1957年公開の作品で、アカデミー賞音響編集賞を獲得する等高い評価を受けて戦時中から数多く作られた潜水艦ものの中でも後世に影響を与える代表作となりました。

潜水艦ものの花形「駆逐艦vs潜水艦」で駆逐艦側を描く物語で、当時の映像技術もあってミニチュア感の強い描写には限界を感じさせますが、素晴らしい海上と海中の攻防を表現してサスペンスを盛り上げます。本格戦争映画ながら敵に手を差し伸べる展開にはスポーツのような爽やかさがあり、後世にまで受け継がれる本作の美点の一つです。
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