開明獣

地球の静止する日の開明獣のレビュー・感想・評価

地球の静止する日(1951年製作の映画)
5.0
クラトゥと名乗る背の高い男は、他所の星から5ヶ月かけて4億キロを旅して地球にやってくる。ゴートという得体の知れないロボットと共に円盤から現れるクラトゥの目的はなんなのか。

70年前に既にこんな作品を作っていたのが驚異的。映画の制作は、技術的には大きく進歩したが、創造性ではむしろあまり発展してないのかもしれない。

監督は、「サウンド・オブ・ミュージック」「ウエスト・サイド・ストーリー」でアカデミー賞に輝いたロバート・ワイス。ウエストサイドの10年前に本作は公開されている。クラトゥを演ずるマイケル・レニーのゆるりとした感じが画面にマッチしている。

全編モノクロームで、スペクタクルな展開はないが、ストーリーはしっかりと構成されていて、今観ても面白い。

世相への痛烈な風刺が、人類の愚かさを冷笑している。人類を待つ未来は果たして明るいものなのか、それは観るものに委ねられる。
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