このレビューはネタバレを含みます
「地球が静止する日」
以前から気になっていたけどタイミングがあわずようやく鑑賞。原作は未読。スコットデリクソン版は見てるけど、あんまり覚えてないかも。
古い映画だしSFだしで、今見て映画の質の話をしてもしょうがない気がする。
オープニングクレジットの音楽とかビジュアルは世界観がまさにレトロフューチャーテイストで可愛くいい感じ。
子供目線のパートもあって、シリアスな題材だけど客層を全方位にとって楽しい映画を目指してるみたい。今見ると緊張感は無いけど、のんびりと見れて良い。
ビジュアルのテイストは全体的に世界観があって面白い。宇宙船ののっぺりした感じと軍のジープが席が剥き出しで兵隊がみっしり載ってる感じの対比なども面白く見れた。
個々のキャラクターは、役割が多くて人柄が伝わるような場面は少なかったけど、故に垣間見える部分が人間臭さが際立って面白い。女性の恋人が俗っぽいあたりとか。
世界観としては、絶対的な力を持ったモノが戒めに来てくれた。と受け取った。
原子力という身に余る力を持ってしまった人類の罪悪感や不安感のようなモノを背景に感じる。
「幼年期の終わり」にも通じる感じ。
キリスト教が科学によって相対化され求心力を失い、神に替わって人としてのあり方を導いてくれるより上位の存在を必死に探しているような。
軍や政治家が宗教的道徳で縛りきれず、論理から利己に暴走してゆくことを危惧しているみたい。
ゴートの在り方が漫画版「風の谷ナウシカ」の調停者である巨神兵のよう。ということは、シン・ウルトラマンもこれか。
ゴート関連でもう一つ。目から怪光線(まさに怪光線!なんてロマンチックな)を出す時にアイガードが開くと左右に走る電気線のような目のデザインがカッコいい。体や全体の野暮ったさとギャップがあって印象的なんだけど、どっかで見たことあると思ったら、これってパトレイバー零式?
次は原作を読んでみないと。
あんまり覚えてないけど、地球静止しないんだっけか?