焙煎マン

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?の焙煎マンのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

この作品を見るきっかけはアニオタの自分にはシャフトが映像化するというニュースが良いきっかけでした
前から作品名は知っていてオシャレな映画だと思っていたんですがドラマからのスピンオフなんですね
それで、『IF もしも』から見ようとしたんですが、まさかのDVD化しておらず…
というわけでいきなり本作から…ドラマ見たかったなぁ

まあ全体的には雰囲気の良い作品だったと思います
一回目の選択肢を見せて人物らの考えを先に打ち明かすからこそ、二回目のプールでの競争に勝つシーンでヒロインなずなのセリフの一つ一つが凄い深みがあるように思える。(このなずな役の女優さん、凄い綺麗で大人っぽいんですけど演技力がちょっと気になった)
最初は駆け落ちをしたがっていたのに、バスに乗って帰ってしまうという行動も支離滅裂なんですけど気持ちは分かります
離婚した母親に付き添って転校という非現実から逃れるための非現実が駆け落ちごっこみたいな形になったんじゃなかろうかな?なんて私は思います
最後のプールのシーンとか凄いこんなん現実では無かったなぁ…なんて思いながら画面の美しさに思わず見惚れた
二学期、学校で会えるの楽しみだね。のセリフもちょっと哀愁が感じられて好きです 本当は会えないのにね
最後まで登場人物のそれぞれが自分の想いを相手に吐露せず、話は全くと言っていいほど膨らまない。でもそれが思春期特有で「そうだよなぁ…」なんて思ったり

あと主人公の典道も結局好きな人と一緒にいるのにほとんど振り回されるだけで何も出来ないが、これも分かる
小学校高学年特有のオラついた突っ張った発言を繰り返すが、好きな人を前にするだけで思い切った発言が出来ず。最後まで荷物を持って彼女の発言に振り回されるだけのなすがまま。この女の子に対して奥手に周りにまわって最後まで何も出来ないってのが、自分は凄い共感しました

同じくなずなが好きな祐介もオラついて突っ張って男同士の気楽さを優先して女子を突っぱねてしまう。これも分かるんだよなぁ
本当はやっちゃ不味い、って分かってるのにその場のノリでスカートめくりを決行する悪がきの心境と似ている気がします。
そんなわけで人物描写は深くまで映されたわけではないけれど、深く無いからこそ登場人物の気持ちを察して、言葉では無く心で共感出来たと思う

また全体的な雰囲気が良かった理由に音楽と映像がある
特に深夜のプールに忍び込むシーンが好きですね。夜のプールに忍び込むなんて青春劇では王道のような展開ですが、バカみたいにはしゃぐわけではなく
お互いに言葉を選びながらも泳いだり泳がなかったりするだけ、ただ絵として素敵すぎてプールサイドで片足を入れながら歩いたりするヒロインに綺麗だなと見とれたり…夜だから水面が黒くなったプールに墨汁みたい!と驚くシーンで子供らしさを感じたり、なんというか言葉で言い表せないノスタルジーと言いましょうかひと夏の思い出の色あせた綺麗さを感じた もう自分の語彙力では表現できないけど、これアニメ映え凄い期待出来そうです

追記:アニメは見るな
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