焙煎マン

デッド・ノート/デス・ノートの焙煎マンのレビュー・感想・評価

1.0
テンポが悪い、話がわかりにくい、聖書ネタが多いの三連符
デスノートのパクりみたいな邦題ですが、ノートは対して出てきません。パッケージには二冊出てるのに一冊しか出ないし

メインになるのはノートではなく、登場人物らの悪行。
バラしてしまうと深夜現れた浮浪者は悪人の魂を取りに来た死神のような存在で、小さな警察署に集められた警官らと悪人が死に向かっていくサスペンス映画
何故こんなにもあっさりバラすかというと、最初から分かっていたほうが余程楽しめるからです。
登場人物の罪や、おっさんの正体、誰がどんな人物で何をしているのか?を中盤まで隠して不穏な空気をダラダラと続けるから何が起きているのか分からない。
浮浪者のおじさんが、人ならざるモノであることは匂わせつつも、終盤までは分からないので視聴中の手探り感が酷い

そして基本全部夜のシーンなので画面が暗くて眠くなる。これがこの作品の問題点
淡々と謎要素を出して、いくけれど回答が拾われることなくわざとらしい匂わせでダラダラと一時間近く消費する。
もちろん匂わせが上手ければ続きが気になる中編サスペンスかも知れないが、匂わせ方が直球だったり、よく分からなかったり
囚人暴行していた警官二人組は回想で暴行シーンそのまんま映すけど、それ以外の人は逃げるシーンが一瞬映ったり、血まみれの部屋が映るだけだったり
回想シーンで匂わすなら、もうちょっと不穏なワードを出したり確信的な映像はボカしてお察し程度にしたりやりようがあったはず…

映像で全ての状況を説明しようとしているので、そういったわかりにくい構成が更に理解しづらくなっている。
それに、悪人の魂を回収というラストに明かされる事実で勧善懲悪映画なのかと思うかも知れないけど、だとすれば聖書の引用は要らんですよ
善と悪は人それぞれかも知れないけど、殺人は世界的に見ても大体悪なんだから宗教的な解釈も余地もいらないんです。
キリストの教えを引用して、テーマもそれにそって無神論者ってやだねーっていうプロパガンダ的な映画なら、それはそれで筋が通っているけど
本作は、最後には悪人の魂を取ることを良かったことみたいに映すわけだから罪に対する許しを神に乞うキリストのソレとはだいぶ乖離していると思います。
私もキリスト教徒じゃないから断言は出来ませんけど
意図としては、もしかしたら宗教的な意味でというのは私の深読みでカッコつけるためだけかも知れません。
というのも基本登場人物らの会話が軽口の応酬で、なんでコイツら常に皮肉とかばっか言ってるんだ…感じ悪いな…と思うぐらいクドいから
“映画的"ではあるけどそれやれば映画が面白くなるわけじゃないから…

全体的になんだかなーと思ってしまう映画。一回目見たとき寝たからもう一回見たけどやっぱり、退屈
序盤の謎の男にみんながビビるシーンとか雰囲気あって好きなんですけど、(役者のジョナサン・ワトソンも渋くてカッコいい)それ以降ずっと肩透かし
主題であったノートがメインじゃないのは良いけど、魂取る云々はクライマックスでまとめてやらないで一人ひとり追い込んだほうが盛り上がった気がする。
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