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レオン 完全版のdepressionのネタバレレビュー・内容・結末

レオン 完全版(1994年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

The Professional

カメラワーク、シーン構成、演出がオシャレで気持ち良すぎる!
有名映画なのであらすじとか抜きで、テキトーに憶えていること書き殴っていく。

最初、町並みを映したシーンから始まる。これ、舞台設定を説明する意図があると思っていて、私がこのオープニングを観た時「車、右側通行だな」「結構都会だな」「信号とか看板の感じ英語だけど中国語が書いてあるからチャイナタウン?」「アメリカっぽい町並みで都会だとサンフランシスコかニューヨークかな?」と自然に考えさせられてこういう世界観なんだよ、って予め予習させてもらっているような感じだった。今まで観てきた映画は途中途中で場所の設定とかを見せているんだけれど、大まかに先に舞台設定を紹介してくれるの助かる。

初っ端レオンとトニーが仕事の話をしているシーン、顔アップで引き込んでおきながら、レオンがしているサングラスにテーブルの様子をちらっと光の反射で映すことで動きを出していてそこからオ、この映画の演出は少し違うぞ、と思わされた。ここでグッと掴まれた。

最初の殺しの仕事シーン、レオンの強さを印象づけられレオンかっけ〜と同時に、シーンを切り取っても画としてよくて、たとえば階段を真上から覗き込む時の画とか、暗闇から腕と顔だけだしているレオンとかおしゃれで良かった。やられ役の人が慌てふためいているシーン、長尺でシーンを切り替えないでずっと映すことでリアルさ、慌てようが表現されていてとても良かった。

そう!レオン全編通して、長尺のシーンが多いなって思った。役者さんとか、ミスしたらまた長い時間の演技をし直さないといけないから大変だろうけれど、カメラを切り替えない長尺だからこそ、その人物の視点・行動に自然と寄り添い、注目できるようになっていてめっちゃすこ。

LeonとStanのキャラづけが良くて、ルーティンを持ったキャラって印象に残る。強い人ほど凝り性というか、なんかそんな感じが好き。
特にStanが良すぎる。Stan、後ろ姿がめちゃめちゃ印象的で最初の登場シーンから後ろ姿だけをずっと見せていて、ついに振り返って顔を見せるぞってところがすごく強調されていて印象に残った。トイレで錠剤を摂取して絶頂?するシーンとかもずっと後ろ姿だけの演技なんだけれど、後ろ姿だけなのに動きがはっきりとしていて不気味さ・かっこよさが醸し出されていた。めっちゃすこ。

Stanといえば、他に印象に残っているシーン、Stanがこちらに向かって歩いてくるんだけれど、途中で引き返すところがなんかめっちゃ好き。ここもカメラを切り替えないで行うことでStanの動きに釘付けになっていた。
すだれ?をかき分けてでてくるシーンもめちゃめちゃ好きで、ヤバイシーンなのにどことなく気品を感じてそのギャップも気持ちいい。

Leonも良くて、基本的にポーカーフェイスなのに少しの表情の変化だけでLeonの感情がわかりやすく表現されているのすごいなって思った。Tonyと話す時に頑張ってぎこちない笑顔を浮かべるところとか、もう完全にLeon。

Leon、強面ポーカーフェイスの殺し屋かと思いきや、気分が落ちているMathildaを励ますために少し笑い?をとってみたり、後々のシーンでMathildaと子供のように遊んだり、遊び心があってギャップ萌えした。

Mathilda登場シーン、顔の怪我を印象づけるところすごいなって思った。普通にしていたら髪に隠れていて目立たないのだけれど、Leonの方を向いた瞬間に顔を殴られたであろう痕が全面に押し出されて家庭環境が良くないであろうことが一瞬で分かった。

同じことばっか書いているけれど、シーンをカットしないのがすごく気持ち良くて、Mathildaの家族が襲撃されるシーンでマフィアの人が一人ずつ集まってくるところがすごく新鮮で次はどんなやつが来るんだろうってワクワクした。

Mathildaの義母が殺されて、その死体をバックから映すシーン、お風呂に穴が開いていてそこから血で赤くなった水が流れ出しているシーンすこ。

MathildaをかくまったLeonが覗き穴を見ながら右手の銃を相手の頭の位置に移動させているシーン殺し屋っぽさが表現されていて好き。

MathildaがLeonに匿われて、布団に入っているシーンで布団の中から豚の鍋つかみが見えるのかわいくて好き。

LeonがMathildaにプレゼントを買って帰ってきてあげるシーンかわいくてすこ。

MathildaがLeonに愛を示してLeonを困らせているシーン、なんでLeonのことがそんなに好きなんだろうって終盤までよくわからなかったのだけれど、父・義母・姉から虐待されてまともな愛情を味わっていなかったから愛に飢えていて、その時命を助けてくれたLeonに愛情を示したって勝手に解釈した。

途中で手榴弾を使用し視聴者に印象づけて置くことで、最後あたりのシーンも自然と手榴弾の存在に気づくことができた。

Mathildaがピンクのドレスを着て、「このドレス好き?」「好きだよ」「じゃあそう言って」みたいなシーン、口下手なLeonに対してMathildaが思ったことを言った方が良いよ、みたいに教えるシーンだと解釈しているんだけれど、それが最終盤に活きてるな〜ってあとから思った。最終盤、Mathildaを逃がす時にLeonがMathildaに「愛してるよ」って言ってMathildaが「私も愛してる」みたいに言うシーンがあるんだけれど、確かにあの時切羽詰まった状況っていうのはあるけれど、先のシーンもここで活きていて、Mathildaにああ忠告されたからこそこのシーンで躊躇せず「愛してる」ってセリフが出たんだと思う。最初の方のLeonの印象からは考えられない、Mathildaと時間を過ごすことによる彼の変化を感じた。

Leonが最後撃たれて崩れ落ちていくシーン、それ自体を映すのではなくてLeonの視線にカメラを持ってきてそれを地面に落とすことで表現したの、痺れたな〜〜〜

Tonyのところにいた老齢のおじいさんはなんだったんだ?
なぜ非情っぽい殺し屋であるLeonがMathildaに強い同情心(愛?)を見せたのか?
このへんは最後まで未回収だったな。Leonの幼少期のトラウマとか何かしら説明があると思ったが特に何もなかった。何か見落としていたのかも知れない。単に自分にはない部分を持っているMathildaと(自分が自分に課しているルールによって無下にもできず)生活するにつれて情が芽生えたっていう理解でいいのかもしれないな。
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