円柱野郎

ドラえもん のび太とブリキの迷宮の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

劇場版「ドラえもん」第14作。
春休みにどこにも連れて行ってもらえず悩むのび太。
そんなある日、玄関に届けられた謎のスーツケースを開くと不思議な門が現れ、その先にはブリキでできたホテルが現れた。

大長編になると家出することが多いのび太だけど、今作も家出を決心し…たところでブリキン島へ行くことになる。
大長編としては、作中の日常世界から別の世界で冒険することがお約束になっているけど、本作ではなかなかその辺が苦しい展開の様にも思える。
星の危機を救う仲間を見つけるために、わざわざ別の星でホテルを装う必要性があるのか、どうしても説得力が…ね。
それにチャモチャ星という別の星なのに、色々文化的デザインが地球と同じだし、あまつさえサンタクロースが登場というのはあまりといえばあまり(苦笑)。
SFとしての「宇宙開拓使」や「宇宙小戦争」のクオリティはどこへ行った…と思ってしまうと、どうしても引っかかる作品ではある。

作品としては「便利な道具に頼りすぎてはダメ」というテーマか。
そのへんを序盤からドラえもんが説教するわけだけど、今作の舞台であるチャモチャ星自体が道具に頼りすぎてダメになった例であるし、逆にのび太たちは序盤でドラえもんを誘拐されてしまって道具が全然使えない。
無理やりひみつ道具を使えない状況にしてしまっている点では、ちゃんとテーマが貫かれているかな。
子供時分には、ドラえもんがいない心細さや、いよいよ完全に故障した彼の姿に哀しくなってしまった記憶があるのだけれど、ただ当時そういうテーマを受け取れていたのかというと…あまり記憶がない。
円柱野郎

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