emily

海を飛ぶ夢のemilyのネタバレレビュー・内容・結末

海を飛ぶ夢(2004年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

25歳の時事故で四肢麻痺になったラモン。家族の助けなしには生きていくことはできない。そんな彼が望むことは人生への終止符。そう”死”だ。尊厳死を支援する団体と出会い、女性弁護士で不治の病と闘っているフリアと出会う。ほかにもラモンのドキュメンタリー番組を見て、会いに来たロサもラモンの人柄に触れ惹かれていく。

ラモンは25歳まではそんな体ではなかった、生まれつきの病気ではなく、25歳の頃は世界に羽ばたいて自由に生きていた少年だったのだ。彼が生まれつきその病気だったら”尊厳死”を望むこともなかっただろう。

なぜなら比べる対象がないから、それが普通で、体が自由に動かせることがどうゆうことか知らないから。

ラモンは皮肉にも”死”を選択しようとも、自分で死ぬことができない。自分で自分の命を絶つことができないのだ。尊厳死が正しいかどうかはここで問う問題ではない。
彼のいう生きることは権利であり、彼にとってはそれが義務であった。それでも体は動かせなくても、人は望めばいつだって自由になれる。現にラモンは想像の世界でいつでも、立ち上がって海まで飛んでいくことができた。それだけじゃあだめなのかなって考えてしまった。

フリアは不治の病で最後認知症になってしまうのですが、そうなった彼女はその選択すらできないのだ。想像の世界で海まで飛んでいくこともできないのだ。

生きるということ
生かされているということ

改めて考えてみる。でもやはり印象的なのは海まで飛んでいくラモンの姿で、自由はあったように思える。
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