ぐるぐるシュルツ

小さな恋のメロディのぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

小さな恋のメロディ(1971年製作の映画)
3.9
君たちと過ごせて、
ただただ楽しかった。
楽しかった。

〜〜〜

初めて観ました!
もうそろそろ半世紀前の映画になることに驚きます。僕なんて生まれてもいないけれど、こんなにもノスタルジーを感じるのは凄いなぁ。
年齢も国境も超える普遍のノスタルジア。
ビー・ジーズの曲も三役くらい買っている。

小学生くらいの友情と恋情は愛らしいな、と感じる一方で、なんだか自分の小さき頃の感情とか考えとか少しだけ思い出してしまいました。
目の前の友達と、今日の、ほんと今日のことで一生懸命だったなぁ。
なんて思うのは、年を食ったからか、まだまだ大人ぶっているだけなのか。

そして、
この映画の主人公は、
あの三人だけではなくて、
たっくさんの子どもたちですね。
彼らは決して背景じゃない。
あれだけの嬌声と躍動が生み出す
幼きパワーと空気感を、
僕たちも絶対覚えている。
僕たちも主人公だったよな。
もうこれは絶対、そう。

学校帰りの友達との遊びや、
二人だけのデートとか、
家庭も階級もおそらくは違うんだけれど、
そんなこと関係なくごちゃ混ぜで
からかって拗ねてムキになって騒いで。
嫉妬して仲直りして。
草とかいじって(笑)

自分の次の世代でも、
さらに次の世代も、
みんなにとって
きっと変わらない大切な思い出になってほしいなぁと。
ダニエルとメロディたちを最後助けて、
トムが見送るシーンとか。
胸の中に、勝利にも近い柔らかい感情が、
すっと抜けていく。
トム、最初っから、いい奴なんだよなぁ。

あからさまに大人が鬱陶しく描かれていて笑うけれど、
忘れちゃいけない反骨心と疑問。
この後どうしようとか、
あの後こっぴどく怒られるかな、
とか考えないエンディング。

メロディ役のトレイシー・ハイドは、
小さいけれど美人。
女の子の方が、時折妙に大人びたりする。
雨の中で二人で
無言で抱き合うときの表情なんて、
ハッとする。