てんさん

バトル・ロワイアルのてんさんのレビュー・感想・評価

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)
3.0
国家権力により、中学生同士に殺し合いをさせるお話。内容の残虐性から、批評家から痛烈な批判を浴びつつも、逆にそれが話題性となりミリオンヒットとなった原作小説の映画化でもある。当時は各種メディアがめちゃめちゃ話題にのっかって、フィーバームードすらあったのだけれど、今考えるとこんな胸糞悪いお話に、なぜそんなに盛り上がれたんだろうかと不思議。

お国は違えどハンガーゲームシリーズとコンセプトは似ているが、こちらの方が日本映画独特の閉塞感が強い。終始不穏な緊張感がつきまとうので、気分的には2時間ずっと狭い洞窟にいるような感覚がある。

公開当時、前田亜季見たさに劇場で鑑賞。監督の演出もあろうか、表現がかなり大袈裟で、山本太郎と安藤政信のタイマンシーンなどは特にやらされ感が強い。いわゆるアクション重視の作品。原作は「仲良しの友達を殺す」ということに対する葛藤を描くシーンがふんだんに盛り込まれていただけに、その部分が映画版で大幅にスポイルされてしまったのは失敗点だったのではないか、と個人的には思う。

三村恭代の演技は、思いのほか良かった。
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