てんさん

映画 聲の形のてんさんのレビュー・感想・評価

映画 聲の形(2016年製作の映画)
3.3
聴覚に障がいを持つ小学生硝子をきっかけにして、人間関係をこじらせた主人公が立ち直っていくまでのお話。

一般的な感覚としては「友達作るのって、こんなに難しいもんかね?」って言う気がしなくもないけれど、他人との関係性や距離感を肌で感じ、学んでいくこの世代にとってはとても重要なテーマと言えるのでしょうかね。

子どもながらに人それぞれの価値観や物の見方があり、そこで起きるコンフリクトは、大人の私たちにさえ起こりうる課題だったりする。その解決手段こそ未熟ではあるけれど、彼らなりに一生懸命なんだな。

主人公の将也は、物語の最後で自分の罪悪感を手放し、自分を赦すことを高校生のうちに達成できたけれど、こじらすと、ここは大人になってもコドモのまんまで行くところだろうか。将也に関しては、母親の役割が強く描かれており、なるほどこの親ならこの結果は納得の結末。

一方の硝子はどうだろう。この母親の元でこの性格の子が育つもんかしらね。祖母の影響なのかしらとも思うけれど、その説明は足らず納得感は薄い感じ。

全般的に登場人物の振る舞いに関しては、みながその役を演じているのでは?と思えてしまうほど、各キャラクターの個性がファンタジーに寄っている感があり、現実に照らし合わせた時、キャラの反応や性格に違和感を覚えるシーンにはしばしば遭遇。

お話の流れも手放しで明るくはないけれど、登場人物たちの一生懸命な感じは伝わってくるので、応援する感じで見終えました。

手話ってこう言うふうに使うのね、って言うさりげないプロパガンダが混じってるところも好感度マル。
てんさん

てんさん