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ピンクパンサーのRのネタバレレビュー・内容・結末

ピンクパンサー(2006年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2006年のアメリカの作品。

監督は「フリー・ガイ」のショーン・レヴィ。

あらすじ

サッカーの国際試合で、フランスが勝利する中、代表コーチのグリュアム(ジェイソン・ステイサム「キャッシュトラック」)が何者かに毒矢で殺されてしまう。そして彼がはめていた値がつけられないほどの高価なダイヤ「ピンクパンサー」までもが消え去ってしまう。そこで国民が注目するこの事件を任されたドレフュス警視(ケヴィン・クライン「ムクドリ」)は名誉賞を取るために田舎で巡査をしているポンコツ警察官ジャック・クルーゾー(スティーヴ・マーティン「ロビン・ウィリアムズ 笑顔の裏側」)をだしに使おうとする。

U-NEXTにて。

ピンク・パンサーと言うとスネアドラム?のチッチッチッチッチッチッチッから始まる「ドゥドゥドゥーン〜♪」のBGMが強烈に耳に残るピンク色のパンサーのキャラクターを想起すると思うんだけど、今作は1964年から始まったピーター・セラーズ主演のシリーズをコメディ俳優スティーヴ・マーティンでリメイクしたコメディ。

ちなみに、上述のピンクパンサーのキャラクター自体はダイヤの名に関するだけでなく、オープニングのアニメーションでも同じくアニメ化されたクルーゾーと共にちょっと登場するのが嬉しい。

お話はあらすじの通り、おマヌケクルーゾーのドタバタ劇という感じなんだけど、第一の被害者のサッカーコーチが地味にステイサムなことに驚き。ちなみに初っ端から殺されてからほとんどセリフらしいセリフもないのでカメオ的な扱いなんかな。

で、このクルーゾーってのが、マジでトラブルメーカーで触るもの皆ぶっ壊すし、触れた相手は怪我をする(主にドレフュスと自転車乗り笑)。序盤で面白かったのが、メガネがキュートなヒロイン、ニコール(エミリー・モーティマー「レリック-遺物-」)との出会いのシーンでオブジェ的な金の玉がクルーゾーが触れた瞬間ゴロゴロと転がって、上述の自転車乗りの集団に体当たりするシーン。昔ながらのスラップスティックと言ったらそれまでなんだけど、その玉がその後も人知れずゴロゴロと転がっている天丼まであって、流石昨年「フリー・ガイ」でスマッシュヒットと評価を獲得したショーン・レヴィ。普通に面白い。

あと、面白かったのが中盤、アメリカに捜査しにいくために英語を習うシーン、今回吹き替えで観たので言語版のニュアンス的な笑いはわからなかったけど、吹き替えでも羽佐間道夫の名演もあってすごく面白かったなぁ。

まぁ、序盤はクルーゾーがマジでポンコツで、その古臭い笑いの応酬に若干辟易する部分もあるんだけど、観ていくうちに段々とクセになると言うか…笑

あとは、その後に登場するクルーゾーとコンビを組み、相棒となっていくジャン・レノ(「ドアマン」)演じるポントンとの相性も良くて、コワモテフェイスでありながら、特にクルーゾーを叱ったり、突っ込むこともせずに見守るというかなんというかクルーゾーを引き立てつつ、ジャン・レノとして存在感もちゃんとある凸凹コンビの相方として絶妙なバランスのキャラクターで良かった。

あとはステイサム以外にも地味にもう1人のヒロインポジであのビヨンセ(「ブラック・イズ・キング」)が出ていて、後半では普通にゴージャスな歌唱シーンがあったりするんだけど、個人的に注目したいのはこちらも特別出演枠なのかクライヴ・オーウェン(「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」)が006という役で007のパロディをやっていて、普通にアクションしていて、あぁ当時だったらオーウェンボンドもなんかアリだなと思った。

そんな感じでドタバタコメディを繰り広げつつも、なんだかんだ生真面目で一生懸命なクルーゾーはしっかり評価を獲得していくんだけど、後半で明らかになる意外な「真犯人」もなんだかんだ中盤の伏線も生かしてきて侮れない。

ラストはしっかりドレフュスが悲惨な目に遭うお笑いでオトすところはなんか「こち亀」みたいだなぁと思ったり、クラシックな作りではありながら、ちゃんとしっかり笑える作品でした。
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