1990年 夏
4000枚の写真と煙の重さ
たばこ屋の店主・オーギー、常連の作家・ポール、両親を失ったラシード、オーギーと旧知の仲のルビー、ルビーの娘・フェリシティ、今にも潰れそうな車修理屋・サイラス。
世間は広いようで狭い、それぞれに事情を抱え、他人には言えないことを隠している人々が織り成す群像劇。
宇宙のバランスが大切、みんな嘘をつく、幸せを与えただろ、一番大切なものは計れない。
嘘をつくのが、上手なやつだ。
誰の子かは、自分で判断するしかないんだ。
感想です。
傑出した良作とまでは言いませんが、じんわり温まる嘘の話でした。
フェリシティなんて、なんだこいつ、マジでムカつくなと思っていましたが、表情が全てを物語ります。これを踏まえて、カメラのエピソードにたどり着くことの意味が、なんとも言い表せない不思議な気持ちへ連れて行ってくれます。
ラシードの顛末はお察しですが、なんともまぁ、そりゃなかなか言えないよねぇというモヤモヤした感情が充満します。サイラスのおっさんも、本当に鈍いやつです。
嘘ばっかり重ねる作品ですが、最後は本当のことを吐露する場面へ。”秘密を分かち合えない友達を、友達と言えるか?”
話が終わっても、映像は続きます。せっかく観るのなら、最後までお見逃しなく。