【幸せめがけてキックオフ！】
ジャンル：スポコンぽんこつ成長譚
この題材でタイカ・ワイティティが監督をするならばと、コメディ要素マシマシのコッテコテ二郎系映画を期待したのですが、設定のわりには大人しく、ハジケきれなかった印象が残りました。
実話ベースらしいのですが、お利口にやるのならば別の監督で事足りますから、史実には無い要素を豪快に盛り込んで、大団円を迎える展開が良かったのではなかろうかと欲張ってしまいます。何せ何より、"ベスト・キッド”にオマージュを捧げるのなら、もっと練習風景にも取り入れられただろうに、試合中に申し訳程度にねじ込まれ、大変なノイズにしかなりませんでした。
そして、感慨の薄い畳み方にも肩透かしをくらいましたが、そこは史実と帳尻を合わせる必要があるでしょうから致し方なし。最もピークを作れそうな娘の留守電の使い方に、もう一捻りのスパイスがあれば、感慨の厚みが出たのではなかろうかと思うのですが、煮え切らない低温調理な作品なので、火を通すために薄くしたのでしょうかね。
