広島カップ

スモークの広島カップのレビュー・感想・評価

スモーク(1995年製作の映画)
4.0
ニューヨークに住む主人公のたばこ屋の店主(ハーベイ・カイテル)は四千日もの毎日同じ時刻に同じニューヨークの街角を写真に撮っている。

その写真を納めたアルバムをたばこ屋の客の作家(ウィリアム・ハート)に見せたところ、同じような写真ばかりなので作家が矢継ぎ早にページをパッパカ捲って行くものだから店主は「もっとゆっくりと見ないとだめだ」と言う。

ゆっくり…
ゆっくりと見るんだ…
ニューヨークの地下鉄も蚕が這っていくようにゆっくり走って行く。
タバコの煙(スモーク)がゆっくりと立ち上がるように…これがこの作品の速度。

登場人物の皆が心に哀しみや淋しさを抱えている。
嘘をつく者それを聞く者、彼らの心の有り様を丁寧に綴って行く姿勢は製作者に日本人の名前があるのを見て少し納得しました。

"Innocent when you dream"
トム・ウエイツの歌が非常に良く似合います。
広島カップ

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