【何度観ても発見のあるダークナイト誕生譚】
ノーラン監督の導入として度々紹介される本作。バットマンの公開が近いため再鑑賞。敢えて言語化すると陳腐になってしまうほど、構成に優れ緊張感のある作品だった。
ゴッサムという街が救いようのないディストピアでありながら、終盤のジョーカーによる「実験」結果は堂々たる説得力をもっていた。
作品の中では幾度も「光と闇」「正義と悪」といった二項対立が溶解しており、デントが何度もコインを投げる様はそれを効果的に象徴している。デントは本作の中で心身ともにこの狭間に立った人物として描かれており、「ジョーカー」で描かれた悪の凡庸さよりもリアルに感じられた。
また時間を空けて見たい。