めしいらず

汚名のめしいらずのレビュー・感想・評価

汚名(1946年製作の映画)
2.3
いわゆるスパイ活劇風にはせず心理的駆け引きでサスペンスを見せていくのがさすがヒッチコックで知的である。スパイに弱みを握られ仲間内の粛清を恐れて鈍る敵の動きを巧く利用した救出劇もスマート。ただ、妻がスパイの立場も弁えずあけすけに男と密会しているのは如何なものかと思うし、それを知っていながら妻の不倫は疑ってもスパイ活動は少しも疑わない敵の脇の甘さもありえない間抜けぶりだろう。杜撰な作戦と脆弱な防衛の対決。その静かな幕引きの後味悪さはいい。型通りの恋愛劇がつまらなく物語の雑音に感じる。
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