ゆーさく

ボビー・フィッシャーを探してのゆーさくのレビュー・感想・評価

4.1
俺が高校生ぐらいの時に父さんからオススメされた映画。良い映画やと思う。

チェスシーンのカッコ良さに泣けるし、家族ドラマとしても泣ける。

監督は「アイリッシュマン」の脚本などを手掛けてるスティーヴン・ザイリアン。

この映画はチェスをテーマにしたファミリー映画やけど、ある意味「アイリッシュマン」もファミリー映画やから一貫性あるっちゃある。
いやない。正直全然ない。この映画に、デニーロが蹴り殺しに来る場面なんかない。とてもハートウォーミングな映画ですから。


この映画にはチェス映画としての競技シーンの面白さも勿論あるけど、メインテーマは大人たちが7歳のジョシュの才能に対してどう向き合うか、という点にある。

子どもが持つ才能を周りの大人がどう扱い導いてあげるか。子どもを見守る親の目線が沢山描かれている。



基本的に皆、ジョシュの才能を伸ばしてあげたいと思ってるのは変わらない。自由にやらせたり、厳しくルールで管理したり、発破かけたり見守ったり、突き放したりと対応はバラバラやけど。基本は愛情からの行動。

でもそれがまかり間違って大人のエゴになってやしないか、ちょっとのバランスで却って子どもを不幸にしてやいないか。と大人たちは迷う。

最終的に子どもにとって何が良くって、何が悪かったかなんて、後出しでしか言えないから一筋縄ではいかん問題やけど。
良く言われる言葉ではあるけど、"考え続ける事が唯一の答え"なんやろな、って思った。

ジョシュのお母さんがずっとそのスタンスやったな。何が息子の幸せかをずっと見極めようとしてた。あの付かず離れずの目線に一番愛情感じたわ。


コーチからスパルタ英才教育を受けてきたライバル役が、こまっしゃくれた高飛車クソガキに育ってもうてるのを見ると、チェスにステータス全振りするのはやっぱりアカンなと思うわ。
あのコーチ絶対パワプロの育成とか下手くそやろ。倫理観にもステ振らんと。


でもあれはジョシュのあり得たかもしれない可能性の姿やもんな。反面教師として役立ってたとも言えるわ。

公園で賭けチェスやってるハスラー役にローレンス・フィッシュバーン。モーフィアスと違ってめちゃくちゃ喋る。


ネトフリで「クイーンズ・ギャンビット」観たくなってきた。チェスに興味湧いてきたわ。
ゆーさく

ゆーさく