このレビューはネタバレを含みます
この作品の描くエモさみたいなものがなんか信用出来なかった。
作り手が観客の感情を揺さぶろうとしているシーンが、いかにも狙ってる感じに見えてしまって。
異質なものに支配されながらそれでも流れていく日常の、その中にあるエモーショナルな瞬間を切り取ってみせる作風なんやろうけど。。。
でもその日常に潜む劇的さはどこか表現したい事がステレオタイプで、作り事っぽく見えてしまった。もっと些細な部分を切り取って欲しい。
中盤以降のキャラたちの病み方もどっかで見たやつ感ある。
正義感ゆえに暴走していく門出ちゃんもなんか既視感あるキャラやったし、
SNSに思考乗っ取られたヤツが情強を気取って自分だけ真実に気付いたみたいに振る舞いながら過激思想に走る姿とか、すっげぇステレオタイプやと思ってしまった。
おんたんのキャラ、少し茶化したような話し方でヘラヘラしていないと本気の事言えない人って確かにいるけれど、、、なんかそれを全面に出し過ぎてて分かり易すぎるんじゃないかと思った。
ポエムっぽい長台詞が多めなのも気に入らなかった。
人物が自身の思考や行動の動機をつらつらと言語化して説明してくるのが嘘だと思った。
人は自分のことをそんなに細かく明文化しないんじゃないか。それを人に語ったりもしないんじゃないか。
話の筋だけ見るとだいぶ散らかってる気がするけど、どうやってコレをちゃんとまとめてくれるんやろかという興味だけで後章も観てみたいと思った。
特に小学生時代の回想シーンが現在にどう繋がっていくのかには興味ある。
あの悪夢みたいな展開から、どう平和な高校生時代にたどり着くのか。
侵略者のひみつ道具で記憶を修正されたのかな、って予想してるんやけど、違うかな。
もしくはマトリックスみたいに、現在の平和な日常は侵略者が見せている夢でしかない、みたいな。