恭介

死霊のはらわたの恭介のレビュー・感想・評価

死霊のはらわた(1981年製作の映画)
3.8
なんか最近ちょっとお疲れ気味
なのか・・

めちゃくちゃ本作を観たくなって
わざわざレンタルにし行くとか。
何故だ?なぜ今、死霊のはらわた(笑)

もっと他にありそうなもんだが
死霊のはらわた(笑)

むかーしから、とにかくホラーの
邦題には
死霊の〜や、悪魔の〜や、恐怖の〜
を付けときゃ怖そうだろ?的な
タイトルが目白押しだった。

悪魔のいけにえとか死霊のしたたり
とか、ロメロのゾンビ3作目ですら
死霊のえじきなんて付けられて・・

ま、個人的にベスト・オブ・死霊は
死霊の盆踊り(笑)
盆踊りって、ホラーから一番遠い
ワードをチョイスするセンス、という
より開き直り具合が最高で・・

あ、いや、全く本作に関係ない話だ(笑)

初見の衝撃は今でもハッキリ
覚えてる。なんせ初体験した作品
なんで。
何が初体験かというと
ホラー映画をみてあまりの破茶滅茶
ぶりに笑いが込み上げてきたという
体験(笑)

まだね?レンタルビデオの創成期
の時代ですよ、当時は。
街に一軒しかないレンタルビデオ屋。
記憶が確かなら・・多分、一本借りる
のに1500円ぐらいしたんじゃない
かなー。なかなか勇気がいる金額です。

なのに!敢えて
死霊のはらわた(笑)
確か遊星からの物体Xも借りた
記憶が・・当時からなかなか
ハイセンスだったなー俺(笑)

いや、別にホラー映画が好き!
って訳でもなかったけど
多分、当時は劇場でも二本立てが
ほとんどで、メインの映画に必ず
怪しい映画が引っ付いてたんで
無意識に何かを刷り込まれてたかも
しれない。

リアルに劇場で
猛獣大脱走とかアリゲーターとか
地獄の謝肉祭とか処刑教室とか
観てたもん、普通に。
今じゃ確実、R15以上の映画ばかり
やん(笑)

あ、死霊のはらわただったっ
いかん、どーもノスタルジーに
浸ってしまう(笑)

とにかく、笑けてくる
ホラー映画ってのは初めての経験で
自分でもびっくりした。
身体がグッチョグチョでバラバラで
血しぶきが飛び散ってんのに
段々、顔がニヤけてくる。

当時付き合ってた彼女と一緒に
観てたんだけど、その彼女は
顔を背けて、苦悶の表情浮かべてる
のに自分はニヤニヤ。

え?何が面白いん?
って突っ込まれてハッ!っと
我に返ったのをハッキリ覚えてる(笑)

それぐらい衝撃的な作品だった。
チープ感だらけだし、別に話に
捻りもないし、無名の俳優さんばかり
だし。もちろん、サム・ライミなんて
知らねーし。

ただ、作品の勢いは凄かった。
ホラーなのに、製作者側の
怖いもの知らずのパワーというか
それが画面から視覚を通して脳に
直撃するくらいの勢い。

人体破壊のダイレクトな魅せ方から
ストップモーション使ったり
自作のステディカムみたいな機材で
演出したり、低予算を逆手にとった
ような工夫も随所に感じられた。
無名の俳優さん達の熱演も素晴らしい。

全く別物で比べるものでもないけど
自分の中で本作は全ホラーの中の
最高傑作、エクソシストの
対極の位置に存在する傑作ホラー
だと思っている。

本作でサム・ライミ監督の名前は
すぐにインプットされた。
XYZマーダーズとかも監督の名前で
観たいと思ったし。

今考えると、ライミはダークマンから
死霊のはらわたⅢのアッシュからの
スパイダーマンって、ヒーローモノを
撮りたい欲求の階段登って頂点に
辿り着いた感じかな。

まさかスパイダーマンを撮る監督に
なるとか、誰も想像しなかった
だろうし、自分も死霊シリーズで
消えるもんだと思ってたから(笑)

で、久しぶりに鑑賞してみたら
やっぱりニヤニヤしてしまう(笑)
あーコレコレ!みたいな感じ。

ホラー映画は未来の映画作家を
見出す登竜門と言われるのが
分かる気がする。

サム・ライミと同じような経路で
ジェームズ・ワンやスコット・デリクソンやザック・スナイダー、ジェームズ・ガンなんかも今やアメコミ映画の監督だ。

そんな事を思いながら
死霊のはらわたを観てると
感慨深いものがある。

って、相変わらず画面の向こうでは
ギャー!ワーッ!グウェー!
グチョグチョー!ビチャビチャー!
って騒々しかったから、なんか
疲れも吹っ飛んだ(笑)
恭介

恭介