ジーナ

彼女について私が知っている二、三の事柄のジーナのレビュー・感想・評価

3.9
ゴダール作品は「気狂いピエロ」と「アルファビル」しか観たことないのですが、どちらとも序盤で爆睡。
このファースト・コンタクトが良くなかった。
大の苦手な監督だったので、他の作品は一切観るつもりはなかったんですが、動画配信サービスで本作を見かけて気になったので観賞。

・・・凄く好みだった!!!
団地妻達が売春をしていた実話を元にした内容ですが、切り取られていく人妻達の日常が面白くて、そこに被さるゴダールのナレーションも頷ける部分が多かった。
言葉とは?事柄とは?
目で見えるものとは?耳で聞こえるものとは?
またまた哲学的でインテリぶった引用をダラダラ語ってるのに退屈しなかった。
慣れただけかもしれませんが。
登場人物がカメラ目線でどうでもいい事を語りかけてくる演出も良かった。

売春婦の日常や夫が喫茶店で出会った女性と交わす無意味な会話、討論する女学生と教授などの何気ない日常にボーッと見とれた。
お風呂のシーンが特に好き。

ちなみにコーヒーの泡がシュワシュワしてるシーンは、「タクシー・ドライバー」でオマージュされている。

たまたまゴダール作品群の中で本作だけが自分の感性にあっただけかもしれないので、他の作品を見るのは正直気が引ける。
最後は良いイメージのまま終わらせるのがいいのかもしれない。
ジーナ

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