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エイリアンのkabcatのレビュー・感想・評価

エイリアン(1979年製作の映画)
3.9
このたびWOWOWでシリーズ5作品一挙放送されることになり、興味がそそられない分野の映画だが監督名が軒並みビッグネーム揃いだったということもあって観始めたところ、このオリジナル作品は予想外に面白く観られた。

静かな導入部、宇宙船内部のクールなインテリア、サントラも極力少なく、キューブリックの『2001年宇宙の旅』がおのずと思い出され、相当この作品を意識しているように思う。H.R.ギーガーのエイリアンのデザインはあまり好みではないが、グロテスクな表現も必要最小限で(そもそも映画の後半にならないと出てこない笑)、異生物が顔に貼りついたまま寝かされている隊員の姿は、あまりにスタイリッシュで現代美術作品か!と思うくらいである笑。

前半の静かでスリリングな進み方と一転して、後半の攻防戦はあっという間の展開で、結末も結構あっけないが、退屈することなく娯楽作品としてしっかり成立している。シガニー・ウィーバー演ずるリプリーをみんなないがしろにしてるなあと思ったら、案の定彼女以外全員消えるというわかりやすい物語だった笑とはいえ、SFホラーの古典として認識されているのもうなずける内容だった。

シガニーの出世作、ということだが、この映画で彼女はすでに知的で強い女性、というイメージを確立していますね。クルーのなかにハリー・ディーン・スタントンがいて、おまけに兄ちゃん系の役だったのでびっくりでした。

もう一つびっくりだったのは、意外にも「猫映画」だったこと笑。茶トラ君が要所要所でなかなかいい味を出してます。結末も納得笑。
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