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エイリアン4 完全版のkabcatのレビュー・感想・評価

エイリアン4 完全版(1997年製作の映画)
3.6
3で終結してるはずなのに、どうやって続かせるのかと思ったらやっぱりクローンと来たか‥とはいえリプリーは別人となり、エイリアンも予想外の進化を遂げて、物語はマンネリ化することなく展開する。

今回は冒頭から監督のカラーが全開で、ゴチャッとした美術(『1』から考えると大幅な変化)でグロテスク度もさらに上がっている(クローンの造形とかやりたかったんだろうなあ‥)。けれどもアクの強い登場人物たちが多数登場(これもこの監督ならでは)し、毎回登場するロボット(アンドロイド)の扱いも意外な形だったし、無理がある設定もなんだか納得させてしまう強引なストーリー展開で、単に気味が悪い映画では終わらないどことなくユーモラスな風味が加わって、最後まで楽しく観られた。

ニューエイリアンも相当気色悪い見た目だが、水中を泳ぐ姿が美しかったりするし、きわめつけはハイブリッドのニューボーンで、見ているとだんだん可愛く見えてくるのが不思議だw。それが懐いて?いたリプリーに退治されてしまうシーンは、「ママ、どうして?」みたいな表情とジワジワ絶命していく様子がかわいそうとすら思えてしまうのだった。

『1』から20年近く経つというのに、今回シリーズ最強のリプリーを演じたシガニー・ウィーバーのタフさとカッコよさにシビれました。ウィノナ・ライダーもただ可愛い女の子の設定でないところがよい。その他ジュネ作品の常連が多く出演して全体の猥雑なイメージを盛り上げている。
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