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エイリアン3 完全版のkabcatのレビュー・感想・評価

エイリアン3 完全版(1992年製作の映画)
3.0
「2」と同じように前作の終わりからの続きになっているが、あまりにも前作と世界観が違いすぎて困惑した。大変な目をして助かった人たちがリプリー以外死んでしまい(その扱いも雑)、行き着いた先が男だけの囚人の星であったという設定自体やっつけ感があり、おまけにリプリーのキャラクターも変わったかのように、いきなりよく知らない男と関係を持つなど、なんじゃこれは!という物語である(「2」のビショップも前作のいいキャラから大きく覆る設定になっているし‥)。

フィンチャーの初監督作ということでそれなりに楽しみにしていたのだが大きく裏切られた。スポンサーや会社、さらには観客の期待の裏を行く、という反骨精神の表れと捉えればフィンチャーらしいかもしれないが、肝心の映画自体に説得力がなく面白くないのだから失敗作と言われても仕方ないだろう。150分超えなのでなかなかの苦痛だった。

終盤の攻防戦は、迷路のような通路の構造がわからず、かつ人間とエイリアンの視点が交錯して、何がなんだかわからないままに進み、結末もえーっこのあとどうなるの?という感じだった。ただ観終わったあとに覚える絶望感は『セブン』を予告するものと言えるかもしれない。

あとで「完全版」はオリジナルとは細部が異なり、かつフィンチャー自身は関与していないことを知り愕然笑。

シリーズ1〜3の間が13年もあり、そのなかで(時系列で話が進むから)年を取らない設定なのでシガニー・ウィーバーも大変だったと思うが、今回も力強く演じていた。坊主でアップが多いのは『裁かるるジャンヌ』へのオマージュなのかな?
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