kabcat

エイリアン2 完全版のkabcatのレビュー・感想・評価

エイリアン2 完全版(1986年製作の映画)
3.6
オリジナル『エイリアン』から7年後の制作にもかかわらず、オリジナルの最後をそのまま引き継いだ時系列(57年後とはなっているが)なのがすごい(猫もそのままいた!)。ストーリーは継承しつつも、そこはジェームズ・キャメロンなので、最初の30分は大人しめながら次第に娯楽性やアクションシーンを増加させたエンタメ映画に変化させている。しかし、80年代半ばの制作ということもあるのか、キャラクターの典型的な設定(マッチョな隊員たちや利己主義な企業)だけでなく、美術も描き方も前作よりダサく感じてしまうのは今観ているからなのか、それとも自分の年代のせいもあるのか‥時代を感じてしまう作品だった。

同じ役を7年後に演じているシガニー・ウィーバーには最初年齢を感じるものはあるが、後半アクションに徹する頃には力強さのみなぎるリプリーと化してカッコよさを独り占めしている。映画のもう一つのアクセントとなるアンドロイドのビショップ(ランス・ヘンリクセンのルックスも雰囲気があってよい)は、冒頭信用ならぬように描かれながら、後半には180度転換して唯一頼りになる存在となっているところに、『ターミネーター』の1と2をつなぐキャラクターとして読み取ることもできる。
kabcat

kabcat