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都市とモードのビデオノートのstのレビュー・感想・評価

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耀司の言う「過去(=クラシック)」と「現在(=ファッション)」の両立。
そしてそれに共鳴するかのようにヴィムヴェンダースが用いる「過去(=35mmアイモ)」と「現在(=SONYのビデオカメラ)」の二面性。

新宿の車窓やポンピドゥセンターからの風景、あるいはパリコレのフロアやアトリエの室内。これら(=「現在・この場の状況」)を背景として映されるモノローグ(=「過去に紡がれた言葉」)という手法を用いて、その両義性が表現される。
東京・パリ間での思考と実践を往復する中に見る達観的な視座。父母へのリスペクト。勤勉かつストイックな職人性。

「日本」の「モード」を代表するということの「ジレンマ」は、40年経った今も人々に固有の「アイデンティティ」とは何かという問いを鮮やかに突き付ける。
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