空海花

未知との遭遇の空海花のレビュー・感想・評価

未知との遭遇(1977年製作の映画)
4.5
スティーブン・スピルバーグ監督作。
人類が初めて異性生命体と接触する姿を描いたSF映画。
特撮はキューブリックの『2001年宇宙の旅』のダグラス・トランブル。
満天の星空に、強烈な光に包まれたUFOが現れると
子供に帰ったような胸の高鳴りを思い出させてくれる。

スピルバーグは当初、主人公ロイ役に
スティーヴ・マックィーンを熱望。
直接会ってオファーしたが、
脚本を読んだマックィーンが
「俺は映画では泣けない」と断った。
それでも脚本を直すからとスピルバーグは食い下がったが
「いや、脚本は素晴らしいからこのままがいい」
結果的に、出演を熱望していた
リチャード・ドレイファスが主演。
スピルバーグは『ジョーズ』でもマックィーンを想定しており
(これは予算的にオファーは諦めた)
どんだけ好きなんだよ😍
と私的に書いておかなければならないエピソード(笑)
『タワーリング・インフェルノ』からしばらく出演が途絶えたことを思うと
観てみたいと思わない訳ではないけれど
路線は全く違うよね、と思う。
キャスティングで特筆すべきはフランソワ・トリュフォー。
この映画に説得力をもたらす。
トリュフォー監督・出演の『野生の少年』イタール博士のオマージュ愛。

同年にジョージ・ルーカスが『スター・ウォーズ』
スピルバーグもこの後『ET』を製作。
SF映画革新の時代だ🚀
『スターウォーズ』も大好きだけれど
あちらはあくまで宇宙が舞台のアクションであり、
宇宙というか宇宙人👽を描こうとした純粋なSFということで比べずにおきたい。

『十戒』?をTVで観てる子供。
母の「五戒までよ」って会話が素敵。
子供の玩具がカタカタと
森の暗闇と
カラフルで可愛いポストもパタパタ。
口笛のカントリー・ソング。
こういうワクワク感は本当にうまい!
車で追うシーンも流石スピルバーグ。

しかし2度目の邂逅では
ワクワクから一変、恐怖の演出。
母と子の対比がそれを煽る。
ドレイファスのおかしくなっていく姿もまた。
せっかく育った植物にそんなことしないで~🍃
周りからはすっかり奇人扱い。
そんな周りも混乱して狂っているように見える🙄

有名な5音の言語は空から降る🎼
で、結局何を言っているのか?
もう何でかわからないこと満載だが
物語はそのノリでどんどん盛り上がり
一緒にデビルズ・タワーを駆け上がる!🗻
夜と音楽と光の魔術を堪能しよう。

宇宙人の姿はビックリするかもしれないが、
大丈夫。ETみたいな優しさを信じたくなるようなエンディング。
何せ“未知”とは遭遇したばかり
答えはまだない。
光のイメージのままに希望に包まれて、
ジョン・ウィリアムズの音楽を最後まで楽しんでほしい。


バミューダ・トライアングルを思わせるところや
ハワード・ホークス’s フィルム『遊星よりの物体X』の台詞“Watch the skies”をタイトルにしようとしたなど(台詞では使用した)
スピルバーグの好きが詰まっている。


2021レビュー#020
2021鑑賞No.20


TVで『ET』を観たのと
『素晴らしき映画音楽たち』を観てから観たくなってました🎵
空海花

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