まりぃくりすてぃ

ハイヒールのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

ハイヒール(1991年製作の映画)
3.8
お洒落好きをオシャ死に (キュン死) させる系、では全然なかった。冒頭のトランペット(音楽/坂本龍一)からして、メンズ寄りの凶悪犯罪映画の予感。美少女。主役美女。ハゲ。オカマ。うーん、、、
靴はなかなか出てこなく、イヤリングばっかりが次から次へと目立った。私は激痛くれるイヤリング苦手ってのもあって、しげしげと、『耳飾り』への改題を提案したく、とにかく待ちに待つが、靴はまだ。ヒール銃撃がやっぱり後半には始まるの?

それより、謎にカラフル。 “逆説的” にか留置場シークエンスから原色たちの百花繚乱となった。赤にピンクも多い。遊具いっぱいの幼稚園みたいな色ダク、に餌付けされてく私たち鑑賞者。
判事のキャラが面白く定まったあたりで「かなり工夫してるストーリー!」とレディース的にも充分娯しめる江戸川乱歩賞級スリルをもらう。

一度も小道具にならなかった靴が、象徴として最後に。私みたいな親不幸者(どっちかっていうとたぶん)の心を抉る “母娘の哀しすぎる調和” を放り込んできた。観おわって呆然。精神性に。
娯楽作とは片づけられない。。


◇余談1◇
私がよくやる靴ミス。ヒール先でもう片方のアッパーをガサッと削っちゃう収納ミス(泣)。

◇余談2◇
去年の夏前、社用で午後の蒸し暑い街に出たら、ダークグレイ制服(ベスト&ミニ)の他社OLさんを見かけた。濃茶髪が長く、勝気そう&活発そうで親近感。
と、彼女の足元に、ギョッ。梅雨明け前のどんよりした街にて映えすぎる、ターコイズブルーのパンプス。地味制服と派手靴があまりにも合ってなすぎて、色彩テロだよ!
ダサい!! すれちがってそう呟きたくて二度見・三度見とかしちゃった私は、失笑を胸の中で止められなくて。
でも、瞼裏から消えない、瞼裏から何十秒経っても何分経っても消えようとしてくれないあの大胆コーデに、だんだん私は、、、、だんだんと、、「賛成票」って気持ちに! そう、目立った者勝ちだよね。あの強気はやっぱり好きだ。グレイ主体のつまんない街をトロピカルへと一っ飛び。そんな冴え返ってた若ブルー。

あれからもう一年ぐらいになるけど、思い出すたびに彼女のセンスを今ではまっすぐ褒めれちゃう。(あの時は靴の目立ちが尋常じゃなかったけど、通勤着はさぞかし統一的にストロングだったんだろうな。デートの日だったのかも。)