円柱野郎

オースティン・パワーズの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

オースティン・パワーズ(1997年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

60年代に自ら冷凍睡眠に入った悪の組織の首領ドクター・イーブルが30年ぶりに復活した。
当局はそれに対すべく、同じく冷凍睡眠を施した60年代のスパイであるオースティン・パワーズを解凍する。

「サタデー・ナイト・ライブ」出身のコメディアンであるマイク・マイヤーズが脚本と一人二役で主演したコメディ映画で、実にくだらない。
基本的には主役2人が60年代から90年代まで眠っていたことでのジェネレーションギャップネタが主なものだけど、ここまで突き抜けてくだらないと…逆に俺は好きだな。
フリーセックスの時代の感覚を現代に持ち込んで顰蹙を買うパワーズと、世界征服という古臭い(映画的な)支配感を持ち込んで周囲から呆れられるドクター・イーブルというキャラクターが強烈な印象を残す。
下ネタの多いパワーズはキャラ的に好みが分かれそうではあるけど、イーブルは観ているうちに(キャラ的に)可愛く見えてくるから不思議。
正直、出オチに近いキャラで一本の映画に仕上げるなんて、よくやったもんだとは思う。

作品全体に漂うチープさは、逆に60年代のスパイ映画に重なる様な雰囲気があって内容にはマッチしている。
というかそれこそが本作が行っているコント的な“パロディ”でもあるのだけど、その上でそういったスパイ映画のお約束(主に「007」に代表されるピンチシーンからの脱出)に対するツッコミを登場人物に言わせたり(黙らせたり)と、思わずニヤニヤしてしまうネタもあってにくめない。
個人的には「手下の家族でいるのは辛いものよ」のネタが、一瞬「なにごと!?」と惑わされて笑ったなw
スズキに頭を食われて死んだジョン・スミスの仲間の似たようなくだりは米国公開版ではカットされたとのことだけど…、これはネタとしてかぶってたから切ったのかな?
まあテンポを考えればわからんではない。

カメオ出演も何気に色んな人が出ているけど、ウィル・フェレルはあんな役でもちゃんと笑わせてくれるのはさすが。
円柱野郎

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