Ricola

ジャックのRicolaのレビュー・感想・評価

ジャック(1996年製作の映画)
3.7
ロビン・ウィリアムズが見事に少年を演じきっている、心あたたまる優しい物語である。

人よりも4倍の速さで成長するジャック(ロビン・ウィリアムズ)は、10歳になったものの見た目は40歳。
彼が学校に通い始めることで、さまざまな出会いと成長をしていく。


とにかく、ロビン・ウィリアムズが途中から本当に子供にしか見えなくなる。
蝶の羽化をワクワクしながら見つめる純粋無垢な目は、まだ薄汚れた世界を知らない子供のそれでしかないように思える。

またジャックが怖い夢を見たから両親の寝室に来て、「一緒に寝てもいい?」と遠慮がちに聞いてくるシーンなんてかわいい。かわいいパジャマを着てお気に入りのぬいぐるみを抱きかかえている。
親からいいよ、と言われると嬉しそうにベッドに横たわる彼らの間にダイブする。どうしても笑ってしまうけれど、それは違和感からだけではない。

ジャックだけでなく、両親も本当に彼らの愛息として接していることがよくわかる描写が多い。
特に全力で息子と遊ぶママがとってもかわいい!
他の子供と異なって、子供と過ごす時間が短いからこそ、よりジャックとの時間に全力投球なのだろう。

学校での子供たちとの交流、特に小学生男子らしい秘密基地での遊びなどにはワクワクするし、ジャックの馴染みっぷりから、やはり見た目は関係ないのだと思わせてくれる。

ちょっとしたハプニングは、笑いの起こりどころであり、ハラハラするけれどほっこり感がまさるので、気を張り過ぎずに観ることができる。
だけど後半気を抜くと、涙腺が軽く崩壊するので注意が必要かもしれない笑

この映画自体がとても優しい視点で描かれており、少し理想主義的過ぎるかもしれないが(特に結末)、この場合はそれくらいの優しい世界であってくれて嬉しくなるような、心が浄化されて癒やされる作品だった。
Ricola

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