Ricola

旅するジーンズと19歳の旅立ちのRicolaのレビュー・感想・評価

3.6
16歳のあの夏から数年経ち、みんな大学生になってそれぞれ違う大学に進み、高校のときと違っていつも一緒に行動しない時間のほうが長くなっていた。
それでも彼女たちの絆は強固なものであることに変わりない。
夢や恋愛ももちろん人生で大事な部分だけれど、それらを後押ししてくれるのは友人なのだ。


久しぶりに集まった4人が、小さい頃から続けている「儀式」をしようとするが、誰かがそれを軽んじた発言をして少し空気が重くなる。大人になると子供のときみたいにはいられなくなるけれど、子供の頃から大事にしていたものをおざなりにするのはやはり悲しい。それぞれの思いの大きさの違いをお互いに認識してしまう。

前作では違う場所にいる4人をつなぐためにアクションつなぎが多用されたが、この作品においてはそういった演出はあまり見られなくなった。それぞれが違う道を歩み始めたことがはっきりしたということだろうか。

16歳で学んだことで一歩強くなった彼女たちだが、まだまだ悩んだり模索することも多い。あのとき気付いたことに改めて向き合ったり、あのとき得たものを糧としてまた新たな課題に正面からぶつかっていく。
そして4人の宝物であり友情の証のような不思議なジーンズの存在。彼女たちを優しく見守り、繋がりの証明ともなっていたこのジーンズ。さまざまな困難があろうとも、お互いに心の支えとなって乗り越えることを16歳のあの頃よりも強く認識しあえたのだろう。
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