ShinMakita

ハンバーガー・ヒルのShinMakitaのレビュー・感想・評価

ハンバーガー・ヒル(1987年製作の映画)
2.1

1969年5月。101空挺師団の1小隊が兵の補充のため束の間の休息についていた。ウォーチェスター一等軍曹は新任のエデン少尉から新たな任務を説明される。どうやらまたエイシャウバレーに送られるようだ。ウォーチェスターの親友であるフランツ軍曹は、新米たちの面倒を見ている。メンバーは、生意気なラングイリ、新妻とラブラブなベレツキ、おとなしいウォッシュバーンたちだ。休暇帰りの黒人3人組も隊に合流する。軍隊の人種差別体質を皮肉るドク、夢を語るマック、学歴のあるモータウンの3人組は、常に一緒に行動していた。
5月10日、小隊はエイシャウに送られる。任務は、937高地という丘を占拠すること。この丘攻略は激戦となり、結局占拠までに10日を要したのだった。

「ハンバーガー・ヒル」


以下、ネタバレーヒルにようこそ。


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シネマート新宿でやっているリバイバルに行ってきました。何年ぶりかなぁ…劇場鑑賞後レーザーディスクで所有してたけど、たぶん20年は観てなかったな。「ストーリーなんてものはなく、ただ延々と丘を攻めるだけなんだけど迫力は凄い」的な捉え方をしてたんですが、大間違いでしたね。今回、非戦闘シーンで紡がれる人間ドラマとキャラクターの個性を大いに楽しめました。特に黒人ドク。常に白人たちと喧嘩腰で距離を取っている彼も、フランツには苦しみを共有して「ブラザー」と呼ぶんですよね。二人の別れの場面ではグッときちゃいましたよ。北のラジオ放送、銃後の便り、歯磨きの重要性など、あまり見た事ないシーンがフレッシュ。命を賭ける意味が全くわからない「丘攻略」を無心で続ける男たちの虚しさを思うと、やはり戦争の不条理さを感じますね。実は結構良くできたベトナム戦争映画。フランツ役ダーモット・マローニー、ウォッシュバーン役ドン・チードルくらいしか解らないキャスティングだけど、みんな顔力あって混乱しません。登っては失敗して下りて、翌日また登っては下りて、を10回繰り返した男たち。たくさんいた小隊メンバーのなかで生き残ったのはわずか3人。てっぺんから丘を見下ろして涙を流すラストカットも最高。いま見直すべき一本です。
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