つかれぐま

アメリのつかれぐまのレビュー・感想・評価

アメリ(2001年製作の映画)
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【エスプリ】

「アメリ・プーランの素晴らしい運命」が原題。お洒落で不条理で完璧な画面設計が作り出す世界は、仏語の「エスプリ」が意味する所そのもの。米国人ウェス・アンダーソンもきっとこういうの作りたいんだろうな。でもこれは仏人監督がパリを舞台にしてこそ。

堅い表皮の下に柔らかなクリーム。
クレームブリュレをスプーン🥄で割るように、アメリは人々の「殻」を次々に破っていくが、肝心の自分の殻は破れない。金魚鉢から脱走できない金魚のように、アメリが観る世界はいつもガラス越し。

どうしても殻を破れないアメリは、最後に自分の扉を内側に開ける。幸せになる方法は人それぞれ☺。林原めぐみの吹替版も見てみたい。