真っ黒こげ太郎

地球外生命体捕獲の真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

地球外生命体捕獲(2006年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

それで帰るのか…。w




人里離れた山奥で何かをとっ捕まえて、山の中を車で急ぐ3人組。
山奥の一軒家で仲間の1人、ワイアットの元に合流した3人組。
「持ってくんなや!」とワイアットと言い争いになる中、突如として捕獲した何かが暴れを始める。
実は捕獲した獲物の正体は宇宙人で、幼少期に宇宙人に攫われ人体実験を受けていた4人は逆に宇宙人を捕らえて拷問し、復讐しようとしていた。

だが、宇宙人側も宇宙人パワー(なんだそれ)で反撃しようと目論んでいた…。





エイリアンにアブダクションされた男達が逆にエイリアンをアブダクションし復讐しようと目論むSFスリラー。
監督は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」で有名な人らしい。(未見だが。)

スプラッター系の映画を観た際に予告で何度か流れ、気になっていた本作。
ゲオやツタヤでも見つからなかったが、近所の個人経営のレンタルショップで運よく発見できたのでレンタル。

予告やジャケ等のイメージからてっきりデカい組織に主役たちがとっ捕まる話かと思いきや、主人公側がエイリアンを捕獲しどないするか葛藤する真面目なSFドラマだった。
主人公達はエイリアンを復讐目的で捕獲し、拘束し拷問するが、拷問描写よりは主役たちの葛藤などに力を入れていた。

エイリアンを殺せば報復を受け、世界は滅亡する…。
だが、すぐに逃がしても報復を受けるかもしれない。
主要人物たちは「エイリアンを生かすか、殺すか」の選択に主人公達は揺さぶられてゆく。
てっきりグログロスプラッターな作品かと思っていたが、ここまで緊張感高くドラマを展開しているとは思わなかったので意外だった。
登場人物の背景も断片的にしか語られないが、それでも彼らの背景を上手く描けていて彼らのドラマを面白く観る事が出来た。
お話が進むにつれて主要人物がドツボに嵌ってゆく展開も緊張感を生んで良い。

なお、真面目なだけでなく要所要所でキチンとスプラッター描写を挟んでいるのも嬉しい。
全身が腐敗するわ、内臓デロリンだったりと残酷描写はどれもかなりしっかりした出来。
また後半には宇宙人との対決も描かれるなど、モンスターホラー的要素も展開される等、娯楽要素も忘れてないのが良かった。

ただ、クライマックスの展開が結構荒め。
あのオチのアッサリ感はどうかと思う。
ってかそんな簡単に追い返せるなら、途中までの緊張感高めな展開は何だったんだよ!!!???

最後の友情を感じさせるオチはかなり良かったが…。
それまでの緊張感溢れるドラマやスプラッターまみれの容赦ない展開が面白かっただけに、勿体なく思える。


残念な所もあったけど、緊張感をガッツリ味わえたし、お話自体も中々風変わりで面白かったので、気になる人はどうぞ。
期待しないで観れば、意外とイケるぞ。w